宅建にチャレンジ 権利関係

契約不適合責任とは?買主の4つの権利と帰責事由による違いをストーリーで解説|宅建探偵 第43話

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プロローグ

こむぎちゃん
こむぎちゃん
登記田さん、聞いてくださいよ!
ひどい目に遭いました!
どうした、また何か買い物で失敗したか。
登記田探偵
登記田探偵
こむぎちゃん
こむぎちゃん
ネットで「完全防水」のスマホケースを買ったんです!
レビューも良かったし、これでお風呂で動画が見られる!って思って。
ほう。
登記田探偵
登記田探偵
こむぎちゃん
こむぎちゃん
それで昨日、さっそくお風呂に持ち込んだら……水が入ってスマホが壊れました!!
……説明書に「水没させないでください」とか書いてなかったか?
登記田探偵
登記田探偵
こむぎちゃん
こむぎちゃん
書いてありました!
でも「完全防水」なのに「水没不可」っておかしくないですか!?
完全ってなんですか!?
防水と水没は別もんやからなあ。
まあ、メーカーに問い合わせてみたらどうや。
登記田探偵
登記田探偵
こむぎちゃん
こむぎちゃん
問い合わせます!
「完全」の意味を問いただしてやります!

そのとき、事務所のドアがノックされた。入ってきたのは南向壱星だった。前回の相談のときより表情に余裕があり、手には紙袋を持っている。

登記田さん、こんにちは。
先日は棟上さんの件で本当にお世話になりました。
これ、ほんの気持ちですけど。
南向壱星(みなみ いっせい)
南向壱星(みなみ いっせい)

壱星が紙袋を差し出す。中には焼き菓子の詰め合わせが入っていた。

わざわざ気を遣わんでもええのに。
ありがとうな。
登記田探偵
登記田探偵
こむぎちゃん
こむぎちゃん
壱星さん!
いらっしゃい!
わあ、おいしそう!

壱星の表情がふっとやわらいだが、すぐに少し困った顔になった。

実は……お礼だけじゃなくて、また相談があるんです。
棟上さんの件で。
南向壱星(みなみ いっせい)
南向壱星(みなみ いっせい)
棟上さんか。
前回の火事の件はどうなった?
登記田探偵
登記田探偵
あの後、棟上さんは契約を解除して、改めて外構さんの別の物件を購入したんです。
築15年の中古の一戸建てで、今度は無事に引渡しも済んで、先週から住み始めていました。
南向壱星(みなみ いっせい)
南向壱星(みなみ いっせい)
おお、それはよかった。
それで、今度は何があったんや。
登記田探偵
登記田探偵
入居して1週間後の雨の日に、2階の寝室の天井から雨漏りがしたんです。
調べてもらったところ、屋根の防水層に経年劣化の亀裂があったらしくて。
契約のときには外構さんも棟上さんも、この不具合は知りませんでした。
南向壱星(みなみ いっせい)
南向壱星(みなみ いっせい)
引渡し後に見つかった不具合か。
外構さんはどう言うとる?
登記田探偵
登記田探偵
外構さんは「申し訳ない、できる限り対応します」と言ってくれていて、すごく誠実な方なんです。
ただ、棟上さんから「具体的にどこまで売主に求めていいんですか?」と聞かれて……。
僕も宅建の勉強で契約不適合責任は見た気がするんですけど、4つの権利がどう違うのか、正確に説明する自信がなくて。
南向壱星(みなみ いっせい)
南向壱星(みなみ いっせい)
こむぎちゃん
こむぎちゃん
あれ……?
これって、さっきの私のスマホケースと同じじゃないですか!
買ったものが説明と違ってたっていう……!
構造は同じやな。
「約束された品質と実際が違う」という問題。
スマホケースと中古住宅じゃ規模がだいぶ違うけどな。
登記田探偵
登記田探偵
壱星くん、これは契約不適合責任の問題や。
売買契約の重要テーマで、試験でもよく出る。
棟上さんのケースを使って、買主にどんな権利があるのかを整理していこか。
登記田探偵
登記田探偵
お願いします!
メモ取ります!
南向壱星(みなみ いっせい)
南向壱星(みなみ いっせい)

推理①:「契約不適合」とは何か——売主の義務と契約不適合の意味

まず、大前提の話からするで。
売買契約で売主はどんな義務を負っとると思う?
登記田探偵
登記田探偵
物を引き渡す義務……ですよね。
南向壱星(みなみ いっせい)
南向壱星(みなみ いっせい)
それだけやない。
売主は、契約の内容に適合した目的物を引き渡す義務を負っとる。
つまり、ただ渡せばいいんやなくて、約束した通りの品質・種類・数量のものを渡さなあかん。
登記田探偵
登記田探偵
ところが、引き渡された物が種類・品質・数量に関して契約の内容に適合していなかった場合、これを「契約不適合」と呼ぶ。
棟上さんのケースに当てはめると、築15年の中古住宅として通常期待される品質——つまり雨漏りがしない程度の防水性能——を備えていなかった。
これは品質に関する契約不適合に当たる。
登記田探偵
登記田探偵
中古だから多少の劣化は仕方ないと思うんですが、雨漏りまでいくと「契約不適合」になるんですね。
南向壱星(みなみ いっせい)
南向壱星(みなみ いっせい)
そこがポイントや。
契約不適合かどうかは、契約の内容に照らして判断する
築年数、代金額、当事者間の合意、取引慣行なんかを総合的に見る。
「中古だから何でもアリ」ではないし、逆に「経年劣化はすべて契約不適合」でもない。
今回の雨漏りは、築15年の物件で通常想定される品質を明らかに下回っとるから、契約不適合に当たるということや。
登記田探偵
登記田探偵
こむぎちゃん
こむぎちゃん
昔は「瑕疵担保責任」って言ってたやつですよね?
テキストで見たことがあります。
よう知っとるな。
令和2年の改正民法で、旧法の「隠れた瑕疵」という概念から、「契約の内容に適合しない」という基準に変わった。
判断の物差しが「一般的な欠陥があるかどうか」から「この契約で約束した内容に合っているかどうか」に変わったということや。
試験でも「瑕疵担保責任」ではなく「契約不適合責任」として出題される。
登記田探偵
登記田探偵

該当する例: 中古住宅の売買で、引渡し後に屋根の防水層の劣化による雨漏りが判明した場合、当該建物は品質に関して契約の内容に適合しないものに当たる。

該当しない例: 「中古住宅の売買では、建物の経年劣化はすべて契約不適合に当たる」は誤り。契約不適合かどうかは、契約の内容(築年数・代金額・当事者間の合意等)に照らして判断される。


推理②:買主の4つの権利——追完請求権と代金減額請求権

契約不適合があった場合、買主には4つの権利が認められとる。
追完請求権代金減額請求権解除権損害賠償請求権の4つや(民法562条・563条・564条・415条・541条・542条)。
まずは最初の2つから見ていくで。
登記田探偵
登記田探偵
1つ目は追完請求権(民法562条1項)。
引き渡された目的物が契約不適合の場合、買主は売主に対して修補、代替物の引渡し、不足分の引渡しを請求できる。
棟上さんのケースなら、「屋根を修繕してください」と外構さんに求めること、これが追完請求や。
登記田探偵
登記田探偵
修繕のことを法律用語で「追完」って言うんですね。
南向壱星(みなみ いっせい)
南向壱星(みなみ いっせい)
正確には「追完」には修補だけやなく、代替物の引渡しや不足分の引渡しも含まれる。
建物の場合は代替物というわけにはいかんから、修補が中心になるな。
登記田探偵
登記田探偵
ここで1つ注意点がある。
売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法で追完できる(民法562条1項ただし書)。
たとえば棟上さんが「屋根全体を葺き替えてほしい」と言ったとしても、外構さんは「亀裂部分の補修で雨漏りは止まるから、そちらで対応させてほしい」と別の方法で追完することもできるということや。
登記田探偵
登記田探偵
なるほど。
買主の希望通りの方法でなくても、合理的なら売主にも選択の余地があるんですね。
南向壱星(みなみ いっせい)
南向壱星(みなみ いっせい)
2つ目は代金減額請求権(民法563条)。
これは、追完を催告しても相当期間内に追完がなされない場合に、不適合の程度に応じて代金の減額を請求できるというもの。
登記田探偵
登記田探偵
大事なのは順番や。
いきなり代金減額を請求できるわけやない
まずは追完の催告をして、それでも売主が対応してくれなかった場合に初めて代金減額を請求できる。これが原則(民法563条1項)。
登記田探偵
登記田探偵
追完が先で、減額は次の手段ということですか。
南向壱星(みなみ いっせい)
南向壱星(みなみ いっせい)
その通り。
ただし例外もある。
催告なしで直ちに代金減額を請求できる場合が4つ定められとる(民法563条2項)。
追完が不能な場合売主が追完を拒絶する意思を明確にした場合特定の日時・期間内の履行がなければ契約目的を達成できない場合で追完なく期間が経過した場合催告しても追完の見込みがないことが明らかな場合。この4つや。
登記田探偵
登記田探偵
棟上さんのケースでは、外構さんが「できる限り対応します」と言ってくれとるんやろ?
登記田探偵
登記田探偵
はい。
すごく前向きに対応してくださっています。
南向壱星(みなみ いっせい)
南向壱星(みなみ いっせい)
なら、まずは追完請求——つまり屋根の修繕をお願いするのが筋や。
外構さんが修繕に応じてくれるなら、それで解決する話やからな。
代金減額の話は、修繕してもらえなかった場合の次のカードとして覚えておけばええ。
登記田探偵
登記田探偵

該当する例: 中古住宅の引渡し後に雨漏りが判明した場合、買主は売主に対して屋根の修繕(追完)を請求できる(民法562条1項)。売主に帰責事由がなくても追完請求は可能。

該当しない例: 「契約不適合の場合、買主は追完請求をせずに、直ちに代金減額請求をすることができる」は原則として誤り。代金減額請求は、原則として追完の催告をし、相当期間内に追完がない場合に行使できる(民法563条1項)。ただし追完不能等の例外あり(同条2項)。


推理③:解除権・損害賠償請求権と帰責事由——行使できる権利・できない権利

さて、ここからが試験で最も問われるポイントや。
残りの2つ——解除権損害賠償請求権を見ていくで。
そして4つの権利が帰責事由の有無でどう変わるかを整理する。
登記田探偵
登記田探偵
3つ目は解除権(民法541条・542条、564条)。
契約不適合を理由に契約の解除もできる。
催告して相当期間が経過しても追完がなければ催告解除(民法541条)、追完が不能な場合などは催告なしで無催告解除(民法542条)ができる。
登記田探偵
登記田探偵
4つ目は損害賠償請求権(民法415条、564条)。
契約不適合によって生じた損害の賠償を請求できる。
雨漏りで家財が濡れた損害や、修繕期間中の仮住まい費用なんかが典型や。
登記田探偵
登記田探偵
4つもあると、どれを使えばいいか迷いますね。
南向壱星(みなみ いっせい)
南向壱星(みなみ いっせい)
場面に応じて使い分けることになるが、もっと大事なのは「どの権利が使えて、どの権利が使えないか」は、帰責事由の有無で決まるということや。
壱星くん、ここからよう聞いとき。
登記田探偵
登記田探偵
まず、今回の棟上さんのケース。
屋根の劣化は経年によるもので、外構さんにも棟上さんにも帰責事由がない
この場合、4つの権利のうち損害賠償請求権だけは行使できない
登記田探偵
登記田探偵
損害賠償だけ?
他の3つは使えるんですか?
南向壱星(みなみ いっせい)
南向壱星(みなみ いっせい)
使える。
理由はこうや。
損害賠償請求は民法415条に基づくが、同条1項ただし書に「債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない」とある。
つまり、損害賠償請求だけは売主の帰責事由が必要なんや。
登記田探偵
登記田探偵
一方、追完請求権・代金減額請求権・解除権の3つは、売主の帰責事由がなくても行使できる
条文を見ても、これらの権利には「売主の帰責事由が必要」とは書かれとらん。
登記田探偵
登記田探偵
だから、双方に帰責事由がない棟上さんのケースでは、追完請求・代金減額請求・解除はできるけど、損害賠償請求だけはできない……!
南向壱星(みなみ いっせい)
南向壱星(みなみ いっせい)
その通り。
これが令和6年の本試験でも出題されとる。
「双方に帰責事由がない場合、買主が行使できない権利はどれか」——答えは損害賠償請求権のみ
登記田探偵
登記田探偵
こむぎちゃん
こむぎちゃん
損害賠償だけ仲間外れなんですね!
仲間外れというか、性質が違うんや。
追完・減額・解除は「契約をあるべき姿に戻す」ための権利やけど、損害賠償は「被った損害を金銭で埋め合わせる」権利。
損害を填補させるには、それ相応の理由——つまり帰責事由が必要ということや。
登記田探偵
登記田探偵
逆のパターンも押さえとくで。
買主に帰責事由がある場合——たとえば棟上さんの不注意で建物を損傷させたような場合、追完請求権(民法562条2項)、代金減額請求権(民法563条3項)、解除権(民法543条)のいずれも行使できない
自分のせいで不適合が生じたのに、売主に責任追及はできへんということや。
登記田探偵
登記田探偵
帰責事由が「誰にあるか」で結論がまったく変わるんですね。
前回の危険負担のときと同じ構造だ。
南向壱星(みなみ いっせい)
南向壱星(みなみ いっせい)
ええとこに気づくな。
4つの権利を整理すると、こうなる。
登記田探偵
登記田探偵
追完請求権——売主の帰責事由は不要。
買主に帰責事由があれば不可。
登記田探偵
登記田探偵
代金減額請求権——売主の帰責事由は不要。
買主に帰責事由があれば不可。
登記田探偵
登記田探偵
解除権——売主の帰責事由は不要。
買主に帰責事由があれば不可。
登記田探偵
登記田探偵
損害賠償請求権——売主の帰責事由が必要
売主に帰責事由がなければ請求できない。
登記田探偵
登記田探偵
この4つの違い、試験では確実に問われるから、表にして覚えとき。
登記田探偵
登記田探偵

該当する例: 売主及び買主のいずれの責めにも帰することができない事由による契約不適合の場合、買主は追完請求・代金減額請求・解除はできるが、損害賠償請求はできない(民法415条1項ただし書)。

該当しない例: 「契約不適合が売主の責めに帰すことができない事由による場合、買主は追完請求もできない」は誤り。追完請求権の行使に売主の帰責事由は不要(民法562条)。


事件の結論

壱星くん、棟上さんへの回答をまとめるで。
登記田探偵
登記田探偵
第一に、棟上さんは外構さんに対して屋根の修繕(追完請求)を求めることができる。

売主に帰責事由がなくても追完請求は可能や。

外構さんが誠実に対応してくれとるなら、まずはこれで解決を目指すのがええ。

登記田探偵
登記田探偵
第二に、もし修繕してもらえなかった場合には、代金減額請求や契約解除という手段もある。代金減額請求は追完の催告をしてからが原則やけどな。
登記田探偵
登記田探偵
第三に、今回は双方に帰責事由がないから、損害賠償請求はできない。
雨漏りで家財が損傷した場合の損害は、残念やけど外構さんには請求できないということ。
登記田探偵
登記田探偵
わかりました。
棟上さんには「まず外構さんに修繕をお願いしましょう。
外構さんも誠実に対応してくださっていますし、それで解決できるはずです」と伝えます。
損害賠償はできないこと、でもそれ以外の手段があることも説明しますね。
南向壱星(みなみ いっせい)
南向壱星(みなみ いっせい)
それでええ。
外構さんも悪意があったわけやないし、双方にとって一番いい形で解決できたらええな。
登記田探偵
登記田探偵

壱星は立ち上がり、メモ帳を丁寧にしまいながら、こむぎちゃんのほうを向いた。

あ、こむぎさん。
さっきのスマホケースの件ですけど、「完全防水」と書いてあったのに水が入ったなら、それも品質に関する契約不適合かもしれませんよ。
メーカーに追完請求……というか、交換をお願いしてみたらどうですか。
南向壱星(みなみ いっせい)
南向壱星(みなみ いっせい)
こむぎちゃん
こむぎちゃん
おお!
壱星さん、さっそく覚えたての知識を使ってる!
ありがとうございます!

壱星は少し照れたように「それじゃ失礼します」と言って事務所を出ていった。ドアが閉まった後、登記田が小さく息をついた。

……実務で使えるようになっとるやないか。
あいつ、ちゃんと伸びとるな。
登記田探偵
登記田探偵
こむぎちゃん
こむぎちゃん
え?何がですか?
いや、なんでもない。
登記田探偵
登記田探偵

試験のひっかけメモ

  • 損害賠償請求のみ売主の帰責事由が必要: 4つの権利のうち、損害賠償請求だけは売主の帰責事由がないと行使できない(民法415条1項ただし書)。他の3つは帰責事由不要
  • 代金減額請求には原則として追完の催告が必要: いきなり代金減額を請求できるわけではない。追完の催告→相当期間経過→減額請求が原則(民法563条1項)。ただし追完不能等の4つの例外あり(同条2項)
  • 買主に帰責事由がある場合は追完請求・代金減額請求・解除いずれも不可: 自分のせいで不適合が生じた場合、売主に責任追及はできない(民法562条2項・563条3項・543条)
  • 「契約不適合」は契約内容を基準に判断する: 旧法の「隠れた瑕疵」とは判断基準が異なる。契約の趣旨(目的物の種類・品質・数量・代金・取引慣行等)に照らして適合しているかどうかで判断
  • 追完の方法について売主に選択の余地がある: 買主が修補を請求しても、売主は「買主に不相当な負担を課するものでないとき」は代替物の引渡し等の別の方法で追完できる(民法562条1項ただし書)

締め:こむぎちゃんの1行まとめ

さてと、今日の教訓を一言でまとめてみ。
登記田探偵
登記田探偵
こむぎちゃん
こむぎちゃん
はい!
つまり、買ったものが説明と違ってたら4つの権利が使えるってことですね!
ということは、私のスマホケースも品質に関する契約不適合だから……まず追完請求でメーカーに新品交換させて、次に代金減額で半額にしてもらって、さらに解除で全額返金させて、最後に損害賠償でスマホ代も請求!
全部やれば新品ケースと現金とスマホ代が全部手に入る!実質プラスです!!
なんでやねーん!! 
登記田探偵
登記田探偵
全部同時に使ったら二重取り三重取りになるやろ!
正確に言うで!!
契約不適合の場合、買主は追完請求(民法562条)・代金減額請求(民法563条)・解除(民法541条・542条)・損害賠償請求(民法415条)の4つの権利を行使できる!
ただし損害賠償請求だけは売主の帰責事由が必要(民法415条1項ただし書)!
追完請求・代金減額請求・解除は売主の帰責事由不要!
買主に帰責事由があれば追完請求(562条2項)・代金減額請求(563条3項)・解除(543条)いずれも不可!
代金減額請求は原則として追完の催告が必要(563条1項)!
登記田探偵
登記田探偵
ちゃんとしなさい!
登記田探偵
登記田探偵
こむぎちゃん
こむぎちゃん
…てへっ♪

今回のまとめ

契約不適合責任とは、引き渡された目的物が種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しない場合に、売主が負う責任である。買主には追完請求権(民法562条)、代金減額請求権(民法563条)、解除権(民法541条・542条)、損害賠償請求権(民法415条)の4つの権利が認められている。このうち損害賠償請求権のみ売主の帰責事由が必要であり、他の3つは帰責事由不要で行使できる。買主に帰責事由がある場合は、追完請求・代金減額請求・解除のいずれも行使できない。

①契約不適合の意味: 引き渡された目的物が、種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しないこと。契約の趣旨に照らして判断する。

②追完請求権(民法562条): 買主は売主に対し、修補・代替物の引渡し・不足分の引渡しを請求できる。売主の帰責事由は不要。売主は買主に不相当な負担を課さない限り、別の方法で追完可能。

③代金減額請求権(民法563条): 追完の催告後、相当期間内に追完がない場合に行使可能(原則)。追完不能等の場合は催告不要(例外)。売主の帰責事由は不要。

④解除権(民法541条・542条): 催告解除・無催告解除いずれも可能。売主の帰責事由は不要。

⑤損害賠償請求権(民法415条): 売主の帰責事由が必要。帰責事由がなければ請求できない。4つの権利で唯一の例外。

権利 売主の帰責事由 買主に帰責事由がある場合 根拠条文
追完請求権 不要 行使不可 民法562条(2項)
代金減額請求権 不要 行使不可 民法563条(3項)
解除権 不要 行使不可 民法541条・542条・543条
損害賠償請求権 必要 行使不可 民法415条1項ただし書
代金減額請求の原則と例外 内容
原則(563条1項) 追完の催告→相当期間経過→減額請求
例外①(563条2項) 追完が不能
例外②(563条2項) 売主が追完拒絶の意思を明確にした
例外③(563条2項) 特定日時の履行がなければ契約目的不達成で期間経過
例外④(563条2項) 催告しても追完の見込みがないことが明らか

参考書籍:2026年版 史上最強の宅建士テキスト

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