宅建にチャレンジ 権利関係

「共同で申請するのが原則、でも例外がいっぱい!?」権利の登記の申請手続を令和6年問14でストーリー整理|共同申請の原則・単独申請の例外パターン(買戻特約抹消・収用・遺贈・登記名義人住所変更)まで宅建探偵 第52話

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プロローグ

朝の事務所。こむぎちゃんが郵便物を片手にぶつぶつ言っていた。

こむぎちゃん
こむぎちゃん
登記田さーん、聞いてくださいよ〜。
昨日、ジムの解約手続きに行ったんですけど、私のサインだけで解約できたんです。
スタッフさんに「あ、お一人様で大丈夫ですよー」って言われて、その場でハイ終わり。
……ジム解約しとったんか。
全然行っとらんかったもんな。
登記田探偵
登記田探偵
こむぎちゃん
こむぎちゃん
それは置いといて。
今日、別件で携帯のキャリア変更に行ったんですよ。
そしたら今度は「ご家族の連絡先と、現在ご利用中の回線契約者様のサインが必要です」って言われて、家族と一緒じゃないと進まないって追い返されたんです!
そら、家族割の契約者がお母さんやったら、契約者本人の同意がいるやろ。
当然や。
登記田探偵
登記田探偵
こむぎちゃん
こむぎちゃん
でも面白くないですか?
一人でサクッと終わる手続きと、関係者がそろわないと進まない手続きがあるんですよ。
昨日と今日で正反対!
まあ、世の中の手続きはだいたいそうやな。
自分のことだけで完結するもんは一人でできる。
他人の利害が絡むもんは関係者を巻き込む。
そういう仕分けや。
登記田探偵
登記田探偵
こむぎちゃん
こむぎちゃん
シンプル!
じゃあ私の人生も、できるだけ一人で完結する手続きだけで生きていきたいです!
携帯の契約変更で詰まっとる人間が言うても説得力ないわ。
登記田探偵
登記田探偵

そのとき、事務所のドアが軽くノックされた。

登記田さん、お忙しいところすみません。
ちょっとご相談がありまして。
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
敷地倫太郎(しきち りんたろう)

入ってきたのは敷地倫太郎。第49話で独立開業を果たし、自身の不動産事業を軌道に乗せつつあるところだ。手にはクリアファイルを抱えている。

おう敷地さん、久しぶりやな。
事務所の方はどうや?
登記田探偵
登記田探偵
おかげさまで、少しずつ問い合わせが増えてきました。
今日はそのお客さんから預かった、ちょっと厄介な相談で。
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
こむぎちゃん
こむぎちゃん
敷地さん、いらっしゃーい! コーヒー淹れますね。
こむぎちゃん、ありがとうございます。
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
敷地倫太郎(しきち りんたろう)

敷地はこむぎちゃんからコーヒーを受け取ると、ソファに腰を下ろし、クリアファイルを開いた。

笠木 受次(かさぎ うけつぐ)さんという方なんですが、亡くなった旧友から「自分の土地を君に譲る」という遺言書をもらったそうなんです。
公正証書遺言で、遺言執行者もきちんと指定されています。
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
ただ、笠木さんは亡くなった旧友の相続人ではないんです。
あくまで仲のよかった友人で。
笠木さんは「自分が遺贈を受けたんだから、登記は自分一人で申請できるんですよね?」と言われるんですが、僕、答えに詰まってしまって。
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
最近、遺贈の登記が単独で申請できるようになったという改正の話を耳にしたような気もして、調べ直してから回答しようと思い、今日はその確認に伺いました。
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
こむぎちゃん
こむぎちゃん
あっ……。
さっきの私の話と似てません?
一人でできるやつと、誰かと一緒じゃないとできないやつ。
遺言で土地をもらった人も、一人で登記できる場合と、誰かと一緒に申請しないとできない場合があるってことですか!?
構造はだいぶ似とるな。
ええ嗅覚しとるやないか、こむぎちゃん。
登記田探偵
登記田探偵
敷地さん、ちょうどええテーマや。
これまで第50話で建物の登記、第51話で土地の分筆・合筆を見てきたな。
あれは全部「表示に関する登記」の話やった。
今日からは「権利に関する登記」の手続きの話に切り替わる。
登記田探偵
登記田探偵
権利登記には大原則がある。
登記権利者と登記義務者が共同で申請する――これが共同申請の原則や。
せやけど世の中そう単純やない。
「相手方がそもそもおらん」「相手方が協力できへん」――こういう時のために、単独で申請してええ例外がいくつも用意されとる。
登記田探偵
登記田探偵
今日見る令和6年問14は、その単独申請の例外をどこまで知っとるかを問う問題や。
笠木さんの遺贈の話を軸にして、共同申請と単独申請の全体像を整理していこか。
登記田探偵
登記田探偵
お願いします。
笠木さんの件は明後日にはご回答する約束をしていまして、絶対に間違えたくないんです。
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
敷地倫太郎(しきち りんたろう)

今日の事件:令和6年 問14

不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。

  1. 買戻しの特約に関する登記がされている場合において、契約の日から10年を経過したときは、登記権利者は、単独で当該登記の抹消を申請することができる。
  2. 不動産の収用による所有権の移転の登記は、起業者が単独で申請することができる。
  3. 相続人ではない者に対する遺贈による所有権の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。
  4. 登記名義人の住所についての変更の登記は、登記名義人が単独で申請することができる。
ぱっと見、全部「単独で申請できる」と書いてあるな。
この4つのうち、1つだけが嘘や
今日の本丸は設問3――まさに笠木さんの件と直結する相続人以外への遺贈の登記や。
ここを軸にして、残りの設問は「ついでに整理しとこ」の形で見ていくで。
登記田探偵
登記田探偵

推理①:共同申請の原則とは——不動産登記法60条の大原則

表示に関する登記と権利に関する登記

まず登記の世界全体をおさらいや。
前回までの繰り返しになるけど、ここが頭に入ってへんと今日の話がボヤけるからな。
登記田探偵
登記田探偵
表示に関する登記は、不動産の物理的な姿を公示するもん。
表題部に記録される。
表題登記、滅失登記、分筆登記、合筆登記なんかや。
原則として申請義務があって、表題部所有者や所有権の登記名義人が単独で申請する。
登記田探偵
登記田探偵
権利に関する登記は、不動産の権利関係を公示するもん。
権利部に記録される。
所有権保存登記、所有権移転登記、抵当権設定登記、賃借権設定登記なんかや。
原則として申請義務はないけど、申請するときは登記権利者と登記義務者の共同申請が原則や。
登記田探偵
登記田探偵
整理すると、表示登記は単独、権利登記は共同が大原則。
今日のテーマは権利登記の方ですね。
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
敷地倫太郎(しきち りんたろう)

不動産登記法60条——共同申請の原則

ほな根っこの条文を見るで。
登記田探偵
登記田探偵

不動産登記法60条(共同申請) 権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。

やさしく言うと、権利登記はペアで申請するんが原則
土地の売買で例えるで。
画地さんが自分の土地を抵当 仁志(ていとう ひとし)さんっちゅう知人に売却したとする。
このとき、買主の抵当さんは「登記権利者」、売主の画地さんは「登記義務者」。
二人セットで法務局に申請しに行く、っちゅうのが共同申請や。
登記田探偵
登記田探偵
試験用語として整理するとこうなる。
登記田探偵
登記田探偵
  • 登記権利者:その登記により、登記上、直接に利益を受ける登記名義人になる者(買主、抵当権者、地上権者など)
  • 登記義務者:その登記により、登記上、直接に不利益を受ける登記名義人(売主、抵当権設定者、所有権を失う者など)

なぜ共同申請なのか——虚偽登記を防ぐ知恵

こむぎちゃん
こむぎちゃん
でも、なんで共同で申請しないとダメなんですか?
売る人と買う人で売買契約を結んどけば、登記はどっちか一人で行けばよさそうじゃないですか。
ええ質問や。
理由は大きく2つある。
登記田探偵
登記田探偵
1つ目は虚偽の登記を防ぐためや。
登記官には形式的審査権しかなくて、書類が形式的に揃っとるかは見られるけど、実体的に売買が本当にあったかを調査する権限はない。
せやから、不利益を受ける側(売主=登記義務者)が「うん、これでええです」と申請に関与することで、「ほな本当に売買があったんやな」と推定できる仕組みになっとるんや。
登記田探偵
登記田探偵
2つ目は登記の真正を担保するため
登記簿に名前が載っとる人を関与させることで、「他人が勝手に登記をいじる」っちゅう事態を防ぐ。
仮に買主の抵当さんが一人で勝手に申請できる仕組みやったら、知らんうちに他人の土地が自分のもんとして登記されてしまう、っちゅう不正が起きかねん。
登記田探偵
登記田探偵
買主側だけで申請できるとしたら、ハンコの偽造ひとつで他人の所有権を奪えますからね。
売主の関与は不可欠ということですか。
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
そういうこっちゃ。
共同申請は地味やけど、不動産取引の安全の根幹を支えとる仕組みや。
登記田探偵
登記田探偵

該当する例: 画地さんが抵当仁志さんに土地を売却し、二人で法務局に行って所有権移転登記を申請 → 共同申請の原則どおり

該当しない例: 抵当仁志さんが画地さんに無断で「自分が買ったことにして」一人で所有権移転登記を申請 → 共同申請の原則に反するため受理されない

共同申請の原則から外れるパターン——3つの理屈で整理

ところが、60条には「法令に別段の定めがある場合を除き」っちゅう、しれっとした但し書きがある。
これがクセモンや。
この「別段の定め」が結構な数あるんやな。
試験対策としては、3つの理屈で整理すると覚えやすい。
登記田探偵
登記田探偵
理屈①「相手方がそもそもおらん」型 所有権保存登記、登記名義人住所変更、所有権登記の抹消(移転登記がない場合)。
これらは「ペアにする相手がそもそも存在せんから、必然的に単独」っちゅうパターン。
登記田探偵
登記田探偵
理屈②「相手方が協力できへん/協力する必要がない」型 相続・合併(亡くなっとる・消滅しとる)、判決(裁判で意思を擬制した)、収用(強制取得の公益事業)、買戻特約抹消の10年経過(買戻権者が消えとる可能性が高い、所有者不明土地対策)。
登記田探偵
登記田探偵
理屈③「政策的に簡略化されとる」型 相続人への遺贈(令和5年改正で簡略化)、信託の登記(受託者の単独申請)。
これは「立法政策として、ペアにする必要がそれほどない場面で省略を認めた」パターンや。
登記田探偵
登記田探偵
こむぎちゃん
こむぎちゃん
さっきの私の話と同じです!
相手がそもそも要らない/相手が来られない/特別ルールでOK
今日のこむぎちゃん、本当に冴えとるな。
笠木さんの遺贈の件は、この理屈③に関わる話やで。
登記田探偵
登記田探偵

推理②:笠木受次さんの遺贈——「相続人かどうか」で結論が真逆

改正前:遺贈は全部共同申請だった

ほな本題の遺贈の話に入るで。
まず遺贈っちゅうのは、遺言によって財産を譲ることや(民法964条)。
遺贈には2つのパターンがある。
登記田探偵
登記田探偵
  • 受遺者が相続人である場合:例えば父親が子どもに「この土地はおまえに遺贈する」と遺言を残したケース。受遺者(子)はもともと相続人でもある。
  • 受遺者が相続人でない場合:今回の笠木さんのケース。亡くなった旧友の相続人ではないけど、遺言で土地をもらった。
改正前は、どっちのケースも遺贈による所有権移転登記は共同申請やった。
受遺者(登記権利者)と、遺言執行者または相続人全員(登記義務者)が共同で申請する。
これは60条の原則どおりの扱いやな。
登記田探偵
登記田探偵
改正前は、相続人であろうと他人であろうと、遺贈は全部共同申請だったんですね。
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
敷地倫太郎(しきち りんたろう)

令和5年改正:相続人への遺贈だけが単独申請に

ところが令和5年改正で不動産登記法63条3項が新設されて、扱いが変わった。
ここが今日の最重要ポイントや。
登記田探偵
登記田探偵

不動産登記法63条3項 遺贈(相続人に対する遺贈に限る)による所有権の移転の登記は、第60条の規定にかかわらず、登記権利者が単独で申請することができる

こむぎちゃん
こむぎちゃん
あっ、「相続人に対する遺贈に限る」って書いてある!
そう、ここがミソや。
相続人に対する遺贈は、登記権利者(受遺者)の単独申請でええ。
なんでかっちゅうと、相続人への遺贈は、相続による所有権移転登記と性質がよう似とる。
相続登記は63条2項で前から単独申請OKやから、それと足並みを揃えた、っちゅうことや。
登記田探偵
登記田探偵
例えば、画地さんが息子の画地 良太(がち りょうた)さんに「この土地はおまえに遺贈する」と遺言を残してたとする。
これは典型的な相続人への遺贈や。
画地さんが亡くなった後、息子の良太さんは一人で所有権移転登記を申請できる。
登記田探偵
登記田探偵

笠木受次さんのケース:相続人ではない友人への遺贈

ところが笠木さんのケースは違う
笠木さんは亡くなった旧友の相続人ではない
あくまで仲のいい友人やった。
この場合、63条3項の括弧書きで除外されとるから、原則どおり共同申請のままや。
登記田探偵
登記田探偵
笠木さんが「最近単独申請できるようになったんでしょ」と言っていたのは、改正の話を半分だけ聞きかじっていて、相続人かどうかの区別を知らなかったんですね。
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
そういうこっちゃ。
「相続人への遺贈」は単独でOK、「相続人以外への遺贈」は共同申請のまま――この区別を絶対に押さえとかなあかん。
登記田探偵
登記田探偵
こむぎちゃん
こむぎちゃん
なんで「相続人への遺贈」だけにしたんですか?
相続人以外への遺贈も単独でええんやないですか?
理屈がちゃんとある。
相続人への遺贈は、相続による移転とほぼ同じ実体や。
「親の財産を子に渡す」っちゅう構造は、遺言があろうがなかろうが似たような流れになる。
せやから手続きも揃えた。
登記田探偵
登記田探偵
ところが相続人以外への遺贈は、本来やったら相続人に行くはずやった財産が、他人に流れるっちゅう話や。
相続人にとっては「自分のもんになるはずやったのに、横取りされた」っちゅう不満が生じる可能性がある。
せやから、相続人側(登記義務者)の関与を残して、安易に他人名義の登記がされんようにしとるんや。
登記田探偵
登記田探偵
家族内の財産承継なら手続きを簡略化、他人に流れる財産なら相続人の関与を残す――筋が通った設計ですね。
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
敷地倫太郎(しきち りんたろう)

設問3の判定

ほな、令和6年問14の設問3を見るで。
登記田探偵
登記田探偵

令和6年 問14 設問3 相続人ではない者に対する遺贈による所有権の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。

これは間違いや。
「相続人ではない者」への遺贈は、63条3項の対象外やから、原則どおり共同申請になる。
受遺者単独では申請できへん。 設問3は誤りで、これが令和6年問14の正解や。
登記田探偵
登記田探偵
笠木さんには「単独申請はできません。
亡くなった旧友の遺言執行者と一緒に共同申請の手続きを進めましょう」とご説明します。
遺言執行者がきちんと指定されているのは不幸中の幸いですね。
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
そうやな。
もし遺言執行者が指定されてへんかったら、相続人全員と共同申請せなあかんからな。
遺言執行者がおれば、その人と笠木さん二人で申請できる。
段取りはそっちの方がだいぶラクや。
登記田探偵
登記田探偵

該当する例: 画地さんが息子の画地良太さんに土地を遺贈 → 相続人への遺贈だから、息子の良太さんが単独で所有権移転登記を申請できる(不動産登記法63条3項、令和5年改正)

該当しない例: 画地さんが旧友の笠木受次さんに土地を遺贈 → 相続人以外への遺贈だから、63条3項の対象外。受遺者の笠木さんと遺言執行者の共同申請が必要


推理③:残り3つの設問——「もしもこういう場合」の補足整理

さて、ここからは「ついでに整理しとこ」のコーナーや。
令和6年問14の他の3つの設問も見ておくで。
笠木さんの遺贈とは別パターンの単独申請の例外やから、敷地さんも開業後に出くわす可能性は十分ある。
登記田探偵
登記田探偵

設問1:買戻特約抹消の10年経過——「もしも古い買戻特約が残っとったら」

例えばこんなケースを想像してみ。
笠木さんとは別のお客さんで、15年前に地方公共団体から土地を買った人がおったとする。
売買契約に買戻しの特約が付いとった――「指定期間内に住宅を建てなかったら、地方公共団体が買い戻せる」っちゅう条件や。
登記田探偵
登記田探偵
この人はちゃんと住宅を建てて住んどる。
せやけど登記簿には買戻特約が残ったまま。 これを消したい。 誰と一緒に申請する必要があるか?
登記田探偵
登記田探偵
こむぎちゃん
こむぎちゃん
買戻しの特約って何ですか?
民法579条の規定や。 不動産の売買契約をする時、契約と同時に「売主が後で買い戻せる権利」を付けとくことができる。
売主が買主の払った代金と契約費用を返せば、売買契約が解除されて、所有権が売主に戻る、っちゅう仕組みや。
登記田探偵
登記田探偵
ここで大事なんが民法580条
買戻しの期間は最長10年と決まっとる。
10年を超える特約はできへん。
せやから、契約から10年経ったら、買戻しの権利はもう絶対に行使できへん――完全に死んどるっちゅうことや。
登記田探偵
登記田探偵
でも、登記簿には残ったままなんですね。
売却するときにネックになりそうです。
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
そういう死んだ登記がずっと残っとる物件、全国にめっちゃ多いんや。
これが所有者不明土地問題の一因にもなっとる。
買戻権者が誰か分からん、生きとるか分からん、共同申請のしようがない。
せやから令和3年改正不動産登記法69条の2が新設された。
登記田探偵
登記田探偵

不動産登記法69条の2(買戻しの特約に関する登記の抹消) 買戻しの特約に関する登記がされている場合において、契約の日から10年を経過したときは、第60条の規定にかかわらず、登記権利者は、単独で当該登記の抹消を申請することができる

契約から10年経てば、登記権利者が単独で抹消申請できる。 これがさっきの理屈②「相手方が協力できへん/する必要がない」型の典型例や。
買戻権者がもう権利を行使できんことが法律上確定しとるから、関与してもらう意味がない。
登記田探偵
登記田探偵
令和6年問14の設問1を見るで。
登記田探偵
登記田探偵

令和6年 問14 設問1 買戻しの特約に関する登記がされている場合において、契約の日から10年を経過したときは、登記権利者は、単独で当該登記の抹消を申請することができる。

条文そのまま。
この設問は正しい
登記田探偵
登記田探偵

該当する例: 買戻特約付き売買から10年経過 → 登記権利者(買主)が単独で抹消申請可能(不動産登記法69条の2)

該当しない例: 「10年経過していないと買戻特約はそもそも消えないから、10年未満でも単独申請できる」は誤り。あくまで10年経過が要件

設問2:収用による所有権移転登記——「もしも公共事業で土地が取られたら」

次は収用の話や。
これも笠木さんとは別の話やけど、敷地さんが扱う物件で道路拡幅事業が絡んできたら関係する可能性がある。
登記田探偵
登記田探偵
収用は土地収用法に基づく制度や。
道路、鉄道、河川、空港、こういう公共事業のために、土地を強制的に取得する手続きや。
憲法29条で「公共の福祉のために、正当な補償の下に、私有財産を公共のために用いることができる」と決められとる。
登記田探偵
登記田探偵
強制的に取得するということは、元の所有者が登記に協力してくれない可能性が高そうですね。
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
鋭いな。
まさにそこが論点や。
収用が成立すると、所有権は強制的に起業者に移る。
所有権移転登記の話で言うたら、本来は売買と同じように共同申請が原則になりそうやけど、元の所有者は「俺は売りたくなかった」「強制取得は気に入らん」っちゅう気持ちが残っとるケースが多い。
共同申請を強制したら登記が進まん。
登記田探偵
登記田探偵
せやから、不動産登記法118条1項で特則を作っとる。
登記田探偵
登記田探偵

不動産登記法118条1項(収用による登記等) 土地収用法(中略)による収用又は使用による権利の取得又は消滅の登記は、第60条の規定にかかわらず、起業者が単独で申請することができる

収用による所有権移転登記は、起業者が単独で申請できる
これも理屈②「相手方が協力できへん/する必要がない」型やな。
土地収用法の手続き自体で実体的な真正は担保されとるから、登記でもう一度元の所有者の同意を求める意味がない。
登記田探偵
登記田探偵

令和6年 問14 設問2 不動産の収用による所有権の移転の登記は、起業者が単独で申請することができる。

条文どおり。
設問2は正しい
登記田探偵
登記田探偵

該当する例: 道路拡幅事業のための収用 → 起業者(事業者)が単独で所有権移転登記を申請可能(不動産登記法118条1項)

該当しない例: 「収用でも元の所有者と共同申請が必要」は誤り。収用は強制取得なので、起業者単独で完結する

設問4:登記名義人の住所変更登記——「もしも引っ越しただけだったら」

最後の設問4は一番シンプルな話や。
こむぎちゃん、考えてみ。
登記名義人が引っ越して住所が変わっただけ、っちゅう場面で、誰と一緒に申請する必要があると思う?
登記田探偵
登記田探偵
こむぎちゃん
こむぎちゃん
えーっと……自分の住所が変わっただけですよね?
ペアになる相手が、そもそも……いない?
ご名答や。
これが理屈①「相手方がそもそもおらん」型の典型や。 不動産登記法64条1項を見るで。
登記田探偵
登記田探偵

不動産登記法64条1項 登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、第60条の規定にかかわらず、登記名義人が単独で申請することができる

登記名義人の氏名・名称・住所の変更登記は、登記名義人が単独で申請できる
自分の表示が変わっただけで、不利益を受ける相手方がいないから、共同申請する相手がそもそも存在しない。
登記田探偵
登記田探偵
ここはシンプルですね。
ちなみに住所変更登記は、令和8年4月から義務化されているという話を聞いた気がします。
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
おう、よう知っとるな。
不動産登記法76条の5や。 令和3年改正のパッケージで決まったもんで、相続登記の義務化(令和6年4月施行)と並んで、所有者不明土地問題への対策の柱になっとる。 住所変更から2年以内に申請せんと過料の対象になる。
登記田探偵
登記田探偵

令和6年 問14 設問4 登記名義人の住所についての変更の登記は、登記名義人が単独で申請することができる。

条文そのまま。
設問4は正しい
登記田探偵
登記田探偵

該当する例: 引っ越しによる住所変更、結婚・離婚による氏名変更、法人の名称変更などの登記名義人表示変更 → 登記名義人の単独申請(不動産登記法64条1項)

該当しない例: 「住所変更登記には共同申請の相手方が必要」は誤り。そもそも相手方が存在しない


推理④:単独申請が認められる例外パターンの全体地図

ここまでで4設問を見たから、最後に単独申請の例外を全体地図として総整理しとこか。 試験では「肢に出てきた登記が単独申請可能か?」のチェックリストとして使えるで。
登記田探偵
登記田探偵
単独申請が認められる場合 根拠条文 理屈の分類 ポイント
所有権保存登記 不登法74条 ①相手方おらん 最初の所有権登記、義務者が存在しない
区分建物の取得者による保存登記 不登法74条2項 ③政策的 第50話で扱った特則
相続・合併による権利移転 不登法63条2項 ②協力不能 被相続人・消滅法人は協力できない
相続人への遺贈の移転登記 不登法63条3項 ③政策的 令和5年改正で新設
判決による登記 不登法63条1項 ②意思擬制 給付判決のみ。確認判決・形成判決は不可
収用による所有権移転登記 不登法118条1項 ②協力不能 起業者が申請
買戻特約抹消(10年経過) 不登法69条の2 ②協力不能 令和3年改正で新設、所有者不明土地対策
登記名義人氏名・住所変更 不登法64条1項 ①相手方おらん 自分の表示が変わっただけ
仮登記(義務者承諾・処分あり) 不登法107条1項 ②意思擬制 義務者の意思が証明できる場合
信託の登記 不登法98条2項 ③政策的 受託者が単独申請
所有権登記の抹消(移転登記なし) 不登法77条 ①相手方おらん 保存登記のみの場合、義務者が存在しない
それから、「これは原則どおり共同申請」っちゅう代表例も押さえとこ。
試験でひっかけに使われる定番や。
登記田探偵
登記田探偵
  • 売買・贈与・交換による所有権移転登記
  • 抵当権・質権・地上権・地役権・賃借権の設定登記
  • 抵当権・地役権・賃借権の抹消登記(一般原則として)
  • 相続人以外への遺贈による所有権移転登記(※63条3項の括弧書きで除外)
  • 所有権移転登記が存在する場合の所有権抹消登記
  • 判決のうち確認判決・形成判決による登記(給付判決でないと単独申請にならない)
これは開業後の早見表として使わせてください。
お客さんに「この登記、自分一人で申請できますか?」と聞かれた時に、まずこの分類で確認できますね。
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
それでええ。
試験は単独申請の例外を「○○の登記は単独で申請できる」と並べてくる。
受験生は「いかにも例外っぽく見えるけど実は原則どおり」っちゅう肢に騙されんかったらええ。
今日の設問3がまさにそのパターンや。
登記田探偵
登記田探偵

事件の結論

敷地さん、まとめるで。
令和6年問14の4つの設問や。
登記田探偵
登記田探偵
設問1――買戻特約抹消(10年経過):契約の日から10年を経過した買戻特約の登記は、登記権利者が単独で抹消申請できる(不動産登記法69条の2、令和3年改正)。
正しい
登記田探偵
登記田探偵
設問2――収用による所有権移転登記:起業者が単独で申請できる(不動産登記法118条1項)。
正しい
登記田探偵
登記田探偵
設問3――相続人以外への遺贈の所有権移転登記:63条3項の単独申請は「相続人に対する遺贈に限る」から、相続人以外への遺贈は原則どおり共同申請のまま。
この設問は誤り
笠木さんは遺言執行者と一緒に共同申請せなあかん。
登記田探偵
登記田探偵
設問4――登記名義人住所変更登記:登記名義人が単独で申請できる(不動産登記法64条1項)。
正しい
登記田探偵
登記田探偵
誤っているのは設問3、せやから正解は3や。
登記田探偵
登記田探偵
ありがとうございます。
笠木さんへの回答が固まりました。
明後日、遺言執行者の連絡先も含めて段取りをご説明します。
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
お客さんが「最近の改正で楽になったらしい」と聞きかじっとる時こそ、こっちが正確な範囲を伝える役目や。
開業して間もない今こそ、丁寧に説明して信頼を積み上げていくのが大事やで。
登記田探偵
登記田探偵
はい。
笠木さんは画地さんからの紹介でもあるので、しっかり対応します。
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
こむぎちゃん
こむぎちゃん
画地さんつながりなんですか!
最近お見えにならないですけど、お元気ですか?
お元気ですよ。
先日もお会いしたら「登記田さんとこのこむぎちゃんに、また何か持っていかなあかんなあ」と仰ってました。
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
敷地倫太郎(しきち りんたろう)
こむぎちゃん
こむぎちゃん
わあ、楽しみです!

敷地はクリアファイルを閉じて立ち上がり、こむぎちゃんと登記田に丁寧に頭を下げて事務所を出て行った。

……あの男も、ええ顔つきになってきたな。
独立してまだ間もないのに、もうお客さんから信頼されとる。
登記田探偵
登記田探偵
こむぎちゃん
こむぎちゃん
敷地さん、開業してからますます頼もしくなりましたよね!
画地さんもきっと応援してるんでしょうね。
せやな。
こうやって紹介の連鎖でお客さんが増えていくっちゅうのは、不動産屋として一番ええ広がり方や。
登記田探偵
登記田探偵

そう言いながら、登記田はコーヒーを淹れ直そうとカウンターに立った。


試験のひっかけメモ

  • 共同申請の原則(不動産登記法60条): 権利に関する登記は登記権利者と登記義務者の共同申請が原則。これを覆す例外は「法令に別段の定めがある場合」に限られる
  • 遺贈の登記の改正点(令和5年改正・不動産登記法63条3項): 相続人に対する遺贈の所有権移転登記は受遺者の単独申請OK。ただし**「相続人に対する遺贈に限る」の括弧書きで相続人以外への遺贈は除外**。原則どおり共同申請のまま。ここが最頻出ひっかけ
  • 買戻特約抹消の特則(令和3年改正・不動産登記法69条の2): 契約の日から10年経過で、登記権利者の単独抹消申請が可能。所有者不明土地対策として新設
  • 判決による登記の落とし穴: 63条1項の単独申請が認められるのは「給付判決」のみ。確認判決・形成判決では単独申請できない
  • 所有権登記の抹消(不登法77条): 単独申請できるのは「所有権移転登記が存在しない場合」、つまり保存登記しかない場合のみ。移転登記があると共同申請になる
  • 信託の登記(不登法98条2項): 受託者が単独申請できる。なお、信託の登記は権利の移転登記等と同時申請が必要(98条1項)
  • 登記名義人氏名・住所変更(不登法64条1項): 単独申請。令和8年4月から住所変更登記の義務化が施行され、住所変更から2年以内の申請義務がある

締め:こむぎちゃんの1行まとめ

さてと、今日の教訓を一言でまとめてみ。
登記田探偵
登記田探偵
こむぎちゃん
こむぎちゃん
はい!
今日の教訓は―― 人生は手続きとの戦いってことですよね!
ジムの解約は一人でできるけど携帯のキャリア変更は家族のサインがいる!
つまり、自分のことだけなら一人で完結するけど、他人の利害が絡むと関係者の関与がいる!
だから笠木さんも、亡くなった旧友の遺族と一緒に窓口に行かないといけないんですね!
ついでに買戻特約は10年放置したら自動解約されるサブスクと同じで、収用は強制プランで起業者が一人で乗り換え可能、住所変更はマイページから一人で更新OKなんです!
私もこれからは家族の同意がいる契約は全部やめて、一人でできる手続きだけで生きていきます!
なんでやねーん!
登記田探偵
登記田探偵
人生は手続きとの戦いちゃうし、登記はサブスクの解約とちゃう!
収用が強制プランの乗り換えって、土地を取られる話をなんでそんな軽く言うんや!
正確に言うで!!
権利に関する登記は、登記権利者と登記義務者が共同で申請するのが原則や(不動産登記法60条)!
例外として単独で申請できるんは、
①そもそも相手方がおらん場合(所有権保存登記=74条、登記名義人氏名・住所変更=64条1項、所有権登記の抹消で移転登記がない場合=77条)、
②相手方が協力できへん・する必要がない場合(相続・合併による移転=63条2項、判決による登記=63条1項、収用による所有権移転=118条1項、買戻特約抹消の10年経過=69条の2)、
③政策的に簡略化されとる場合(相続人に対する遺贈の所有権移転=63条3項、信託の登記=98条2項)、この3パターンや!
特に令和3年改正で買戻特約10年経過の単独抹消(69条の2)が新設されて、令和5年改正で相続人への遺贈の単独申請(63条3項)が新設された!
せやけど相続人以外への遺贈は63条3項の括弧書きで除外されとるから、原則どおり共同申請のままや!
令和6年問14は設問3が誤りで正解は3
登記田探偵
登記田探偵
ちゃんとしなさい!
登記田探偵
登記田探偵
こむぎちゃん
こむぎちゃん
…てへっ♪

今回のまとめ

不動産登記法における権利に関する登記の申請手続は、共同申請の原則(登記権利者と登記義務者の共同申請、不動産登記法60条)を基本としつつ、「法令に別段の定めがある場合」に単独申請が認められる構造になっている。第50話・第51話で扱った「表示に関する登記」は原則として単独申請であったが、権利登記では逆に共同申請が原則となるため、まずこの違いを押さえることが重要である。令和6年問14は、共同申請の原則と、そこから外れる例外(買戻特約抹消・収用・遺贈・登記名義人住所変更)を横断的に問う典型問題であり、特に**令和3年改正(買戻特約の10年経過抹消)令和5年改正(相続人に対する遺贈)**という最新の改正点が直撃で問われている。

①共同申請の原則(不動産登記法60条): 権利に関する登記は、登記権利者(登記により直接利益を受ける者)と登記義務者(直接不利益を受ける登記名義人)の共同申請が原則。理由は、虚偽登記の防止と登記の真正の担保。登記官は形式的審査権しか持たないため、不利益を受ける側の関与で実体的な真正を推定する仕組み。

②単独申請が認められる3類型: ①相手方がそもそも存在しない(所有権保存登記、登記名義人氏名・住所変更、所有権抹消で移転登記がない場合)、②相手方が協力できない・する必要がない(相続・合併、判決、収用、買戻特約10年経過)、③政策的に簡略化されている(相続人に対する遺贈、信託の登記)。

③遺贈の所有権移転登記の改正点(不動産登記法63条3項、令和5年改正): 相続人に対する遺贈に限り、受遺者(登記権利者)の単独申請が認められる。相続による移転と性質が近いため簡略化された。相続人以外への遺贈は除外されており、原則どおり共同申請となる点が頻出ひっかけ。家族内の財産承継は簡略化、他人に流れる財産は相続人の関与を残すという立法政策。

④買戻特約抹消の特則(不動産登記法69条の2、令和3年改正): 買戻特約の登記がある場合、契約の日から10年を経過したときは、登記権利者が単独で抹消申請できる。買戻期間の上限は民法580条で10年と定められており、10年経過後は買戻権が確実に消滅しているため。所有者不明土地問題への対策として新設。

⑤収用による所有権移転登記(不動産登記法118条1項): 起業者が単独申請できる。元の所有者の協力が得られにくいことと、公益事業の円滑化が理由。

⑥登記名義人の氏名・住所変更登記(不動産登記法64条1項): 登記名義人の単独申請。そもそも相手方がいないため。令和8年4月施行で住所変更登記の義務化(76条の5、変更から2年以内に申請義務)が始まっている。

⑦実務上の鉄則: 「単独で申請できるか?」を問われたら、まず権利登記か表示登記かを区別。権利登記なら原則は共同申請。例外を主張するには根拠条文を示せるかどうか。特に遺贈は「相続人かどうか」で結論が真逆になるため、依頼者の身分関係を必ず確認。

権利登記の申請手続 原則 例外(単独申請)
申請方法 登記権利者・登記義務者の共同申請 法令に別段の定めがある場合
根拠 不動産登記法60条 各規定(63条・64条・69条の2・74条・77条・98条・107条・118条等)
理由 虚偽登記の防止、登記の真正担保 ①相手方なし、②協力不能、③政策的簡略化
単独申請が認められる代表的なパターン 根拠条文 理屈
所有権保存登記 不登法74条 ①相手方なし
区分建物取得者による保存登記 不登法74条2項 ③政策的
相続・合併による権利移転登記 不登法63条2項 ②協力不能
相続人への遺贈の移転登記 不登法63条3項 ③政策的(令和5年改正)
判決(給付判決)による登記 不登法63条1項 ②意思擬制
収用による所有権移転登記 不登法118条1項 ②協力不能
買戻特約抹消(10年経過) 不登法69条の2 ②協力不能(令和3年改正)
登記名義人氏名・住所変更登記 不登法64条1項 ①相手方なし
仮登記(義務者承諾・処分) 不登法107条1項 ②意思擬制
信託の登記(受託者) 不登法98条2項 ③政策的
所有権登記の抹消(移転登記なし) 不登法77条 ①相手方なし
遺贈の所有権移転登記の整理 相続人への遺贈 相続人以外への遺贈
申請方法 受遺者の単独申請OK 原則どおり共同申請
根拠 不登法63条3項(令和5年改正) 不登法60条(原則)
共同申請の場合の相手方 遺言執行者または相続人全員
趣旨 相続による移転と性質が近い 相続人の利益保護のため関与を残す
令和6年問14 各設問 正誤 根拠
設問1(買戻特約抹消、10年経過) 不動産登記法69条の2(令和3年改正)
設問2(収用による所有権移転) 不動産登記法118条1項
設問3(相続人以外への遺贈) 63条3項の単独申請は「相続人への遺贈に限る」
設問4(登記名義人住所変更) 不動産登記法64条1項
正解:3(誤り)
表示登記と権利登記の申請手続(第50〜52話の俯瞰) 表示に関する登記 権利に関する登記
申請の主体 表題部所有者・所有権の登記名義人 登記権利者・登記義務者
原則 単独申請 共同申請(不登法60条)
申請義務 あり(多くの登記で1か月以内) 原則なし(相続登記は令和6年4月から義務化)
例外的な単独申請 11以上のパターンあり(63条・64条・69条の2・74条・77条・98条・107条・118条等)
代表例 表題登記、滅失登記、分筆・合筆登記 所有権移転登記、抵当権設定登記、遺贈による移転登記
関連回 第50話(建物の登記)、第51話(分筆・合筆) 第52話(今回)

参考書籍:2026年版 史上最強の宅建士テキスト

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