プロローグ
平日の午後、宅建探偵事務所。こむぎちゃんがスマホを片手に、なにやら得意げな顔をしていた。
私、昨日いいことしたんですよ。
あかねちゃんと今度ライブに行くんですけど、グッズの予約代金、二人分まとめて私が立て替えることにしたんです!
それで、払う直前に「あかねちゃんの分も私が払っとくね!」ってLINEしたんです。
そしたら──
こむぎちゃんはスマホの画面を掲げてみせた。
危なかったです〜。
あのまま黙って払ってたら、あかねちゃんのポイントは使えないし、二重に払っちゃうところでした。
立て替えるにしても、払う前にひとこと確認する。
えらいえらい。
私、気配りの人ですから。
あ、でも自分の分のグッズを何にするかはまだ迷ってるんですよね。
タオルかアクリルスタンドか……。
こむぎちゃんが真剣にグッズのラインナップを検討し始めたところで、事務所の扉が軽やかにノックされた。顔をのぞかせたのは、麦わら帽子を手にした恰幅のいい紳士──画地宗一郎さんである。
近くまで来たものでね。
これ、老舗の水ようかんだよ。
冷やして食べると美味いんだ。
いつもありがとうございます!
すぐ冷蔵庫に入れてきますね!
いそいそとお茶の支度をするこむぎちゃんを目を細めて見送りながら、画地さんはソファに腰を下ろした。だが、いつもの陽気な表情のどこかに、めずらしく思案げな影がある。
実はね、ちょっと相談したいことがあって来たんだよ。
古い友人のことでね。
今日の事件:令和2年10月 問7
画地さんは、こむぎちゃんが淹れた冷茶をひとくち飲むと、ゆっくりと話し始めた。
小さな工務店をやっているんだが、二年前に銀行から事業資金を600万円借りたんだ。
そのとき、わしが頼まれて保証人になった。
もちろん、ちゃんと書面で契約したよ。
委託を受けた保証人っちゅうことですな。
それで、何かありましたんか。
棟上くんの資金繰りが厳しくなっていて、返済条件の見直しの相談が来ているそうなんだ。
保証人のわしにも状況を知らせておきたい、ということだった。
返済期限は今年の年末なんだがね。
画地さんは湯呑みを置くと、少し身を乗り出した。
どうせ保証人なんだ、いっそわしが先に600万円を払ってしまって、棟上くんを楽にしてやろうかとね。
幸い、資金の余裕はある。
ただ……妻に話したら「払ったお金は棟上さんに返してもらえるの?払う前にやっておくべきことはないの?」と聞かれて、答えに詰まってしまってね。
肩代わりした後の話と、肩代わりする前の話。
これはええ質問や。
ちょうどぴったりの過去問がありますわ。
登記田は資料棚から一枚のコピーを取り出し、テーブルに置いた。
保証に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、保証契約は令和2年4月1日以降に締結されたものとする。(令和2年10月 問7)
- 特定物売買における売主の保証人は、特に反対の意思表示がない限り、売主の債務不履行により契約が解除された場合には、原状回復義務である既払代金の返還義務についても保証する責任がある。
- 主たる債務の目的が保証契約の締結後に加重されたときは、保証人の負担も加重され、主たる債務者が時効の利益を放棄すれば、その効力は連帯保証人に及ぶ。
- 委託を受けた保証人が主たる債務の弁済期前に債務の弁済をしたが、主たる債務者が当該保証人からの求償に対して、当該弁済日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
- 委託を受けた保証人は、履行の請求を受けた場合だけでなく、履行の請求を受けずに自発的に債務の消滅行為をする場合であっても、あらかじめ主たる債務者に通知をしなければ、同人に対する求償が制限されることがある。
お茶菓子を運んできたこむぎちゃんが、問題文をのぞき込んで首をかしげた。
この問題、前にも見た気がします!確か、保証人がどこまで責任を負うのかっていう……。
せや、前は設問1と2を掘り下げたやつや。
今日はその残り、設問3と4がメインになる。
1つの過去問で二度おいしいっちゅうやつやな。
保証人が肩代わりした後に、主たる債務者に「返してや」と言える権利のことやな。
ほんで設問4は、払う前に「あらかじめ通知」せなあかんっちゅう話や。
払う前に通知……。
あーっ!
それ、さっきの私とあかねちゃんの話と同じじゃないですか!
立て替えるのが求償で、「払っとくね」のLINEが通知!
こむぎちゃんが昨日やったことを、法律の言葉に置き換えていくだけや。
ほな、順番に推理していこか。
推理①:求償権ってなに?──肩代わりしたら「返して」と言える(民法459条)
画地さんが棟上さんの代わりに銀行へ600万円を払うとするやろ。
そしたら画地さんは、棟上さんに対して「わしが払った分、返してや」と請求できる。
この権利を求償権(きゅうしょうけん)と言いますねん。
肩代わりした分を返してもらう権利、というわけだね。
それは当然あるものなのかい?
特に画地さんみたいに、本人から頼まれて保証人になった場合
──試験の言葉では「委託を受けた保証人」と言いますけど
──この場合の求償権はいちばん手厚いんです。
民法459条に書いてあります。
やさしく言えば、「頼まれて保証人になった人が肩代わりしたら、払った分をまるごと返してもらえる」というルール。これを試験用語で言い直すと、委託を受けた保証人が弁済その他の債務の消滅行為をしたときは、支出した財産の額について主たる債務者に求償権を有する(民法459条1項)、となる。
しかも返してもらえるのは元本だけではない。
弁済した日以後の法定利息や、避けることができなかった費用・損害の賠償まで含めて求償できる(民法459条2項・442条2項の準用)。
ただし、返してもらえるのはあくまで「払った分+法定利息+必要やった費用」まで。
勝手に手数料を上乗せしたりはできへんで。
該当する例:画地さんが委託を受けた保証人として、弁済期が来た後に銀行へ600万円を弁済した。→画地さんは棟上さんに、600万円+弁済日以後の法定利息などを求償できる。
該当しない例:画地さんが「肩代わりしてやったんだから」と、勝手に決めた「肩代わり手数料」を上乗せして請求する。→求償できるのは支出した財産の額と法定利息・必要費用等の範囲まで。上乗せ分は求償の範囲に含まれない。
推理②:弁済期の前に払ったらどうなる?──設問3(民法459条の2)
画地さんは「年末の返済期限より前に、先に払ってしまおか」と考えてはる。
実は、弁済期より前に払うかどうかで、求償のルールがガラッと変わるんです。
設問3をもういっぺん見てみましょか。
- 委託を受けた保証人が主たる債務の弁済期前に債務の弁済をしたが、主たる債務者が当該保証人からの求償に対して、当該弁済日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
一度読んだだけでは頭に入ってこないねえ。
せやから、画地さんと棟上さんの話に置き換えますわ。
ポイントは、弁済期前の弁済は、主たる債務者にとっては「頼んでもいないフライング」やということです。
考えてみてほしい。棟上さんにしてみれば、返済期限は年末。それまでに資金を工面する段取りや、銀行との相談の余地がまだ残っている。ところが保証人が先走って払ってしまうと、その段取りが全部飛んでしまう。そこで民法は、弁済期前に払った保証人の求償権を、通常より控えめに設計した。それが民法459条の2である。
民法459条の2第1項 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務の弁済期前に債務の消滅行為をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対し、主たる債務者がその当時利益を受けた限度において求償権を有する。この場合において、主たる債務者が債務の消滅行為の日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。
まず1つ目。
弁済期前に払った場合、求償できるのは「主たる債務者がその当時利益を受けた限度」だけ。
全額とは限らへん、っちゅうことです。
たとえばの話、棟上さんがその銀行に定期預金200万円を持ってたとしましょか。
棟上さんは本来、「借金600万円と預金200万円を相殺してくれ。差し引き400万円だけ払う」と言える立場やった。
つまり棟上さんには「相殺の原因」があったわけです。
そこで民法はこう調整します。
棟上さんが「相殺の原因があった」と主張したら、その200万円分は画地さんから棟上さんへは求償できへん。
棟上さんが「利益を受けた」のは差し引き400万円分だけやからです。
600万円払ったのに400万円しか返ってこないなんて!
そこで2つ目のルールや。
設問3の後半に書いてある通り、保証人は債権者に対して、相殺で消滅するはずやった債務の履行を請求できる。
つまり画地さんは、銀行に「棟上さんの定期預金200万円、本来は相殺で消えるはずやった分ですやろ。そっちを払うてください」と請求できるんです。
棟上くんからは400万円、銀行からは200万円。
合わせれば、わしが払った600万円はちゃんと戻ってくる勘定だね。
よくできているねえ。
ほんで3つ目のルール。
弁済期前に払うても、求償権を行使できるのは本来の弁済期が来てから(民法459条の2第3項)。
求償に含められる法定利息も、弁済期以後の分だけです(同2項)。
棟上さんの「年末まで待てる」という利益を、保証人の側の都合で奪ったらあかん、っちゅう考え方ですわ。
該当する例:画地さんが弁済期(年末)より前の7月に600万円を弁済。棟上さんには銀行への定期預金200万円(相殺の原因)があった。→棟上さんへの求償は400万円の限度。200万円は銀行に履行請求。しかも求償の行使は年末の弁済期が来てから。
該当しない例:画地さんが弁済期の到来後に600万円を弁済した。→これは推理①の通常ルール(民法459条)の世界。支出額全額+弁済日以後の法定利息等を、すぐに求償できる。459条の2の出番はない。
推理③:払う前の「一声」──設問4の事前通知(民法463条1項)
──「払う前にやっておくべきことはないの?」。
これがまさに設問4ですわ。
- 委託を受けた保証人は、履行の請求を受けた場合だけでなく、履行の請求を受けずに自発的に債務の消滅行為をする場合であっても、あらかじめ主たる債務者に通知をしなければ、同人に対する求償が制限されることがある。
こむぎちゃんがあかねさんに送った「払っとくね」のLINE、あれのことやな。
ここで大事なんは、銀行から請求されて払う場合だけやなくて、誰にも請求されてへんのに自分から進んで払う場合でも、事前通知は必要やということ。
「請求を受けたときだけでええ」というひっかけが定番やから、気ぃつけてや。
民法463条1項 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者にあらかじめ通知しないで債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者は、債権者に対抗することができた事由をもってその保証人に対抗することができる。(後段略)
──たとえば「定期預金200万円と相殺するつもりやった」──を、そのまま画地さんに対しても言えるようになります。
結果、画地さんの求償は200万円分制限される。
つまり設問4の「求償が制限されることがある」は正しいんです。
制限された分は、推理②と同じ仕組みで銀行に請求する出口が用意されてますけど、余計な手間と揉め事の種になるのは間違いないですわな。
弁済期前に払うかどうかの前に、まず「払う前の一声」。
これが保証人の鉄則。
こむぎちゃんが二重払いを回避できたんも、払う直前のひとことがあったからやろ。
棟上くんにも、わしの知らない事情や段取りがあるかもしれない。
黙って払うのは、親切のつもりが、かえって迷惑になるかもしれんということだね。
ちなみに、通知のルールは「払う前」だけではない。「払った後」にも対称的な仕組みがある。もしも棟上さんが自力で600万円を返したのに、それを画地さんに知らせるのを怠り、画地さんが善意で(=棟上さんが払ったことを知らずに)二重に払ってしまったら──画地さんは自分の弁済のほうを有効とみなして、棟上さんに求償できる(民法463条2項)。逆に、画地さんが払った後の通知を怠ったせいで、棟上さんが善意で二重に払ってしまったら、今度は棟上さんが自分の弁済を有効とみなせる(同3項)。「払う前に一声、払った後にも一声」。通知は行き帰りの両方で効いてくる。
もうひとつ、「もしも頼まれていない保証だったら」という場合も整理しておこう。委託を受けずに保証人になった人の求償権は、もともと範囲が控えめに設計されている(民法462条)。主たる債務者の意思に反しない保証なら「その当時利益を受けた限度」、意思に反する保証なら「現に利益を受けている限度」まで。委託を受けた保証人のような手厚い求償(全額+法定利息等)は認められない。
該当する例:画地さんが、銀行から請求を受けていないのに自発的に弁済しようとしている。→委託を受けた保証人である以上、払う前に棟上さんへの事前通知が必要。怠れば求償が制限されうる。
該当しない例:画地さんが事前に棟上さんへ通知し、「相殺に使う予定の預金はない。頼む」と確認が取れてから弁済した。→棟上さんが対抗できる事由はなく、求償の制限は生じない。一声かけたかどうかで結論が分かれる。
事件の結論
設問1と2は前にじっくりやった内容やから、復習がてらサクッといくで。
設問1は正しい。保証債務は、主たる債務に関する利息・違約金・損害賠償など従たるものをすべて包含する(民法447条1項)。判例は、特定物売買の売主の保証人は、特に反対の意思表示がない限り、契約解除後の原状回復義務(既払代金の返還義務)まで保証責任を負うとしている(最判昭40.6.30)。
設問2は誤り──これが本問の正解。前半も後半も間違っている。保証契約の締結後に主たる債務が加重されても、保証人の負担は加重されない(民法448条2項)。また、時効の利益の放棄の効力は相対的で、主たる債務者が放棄しても連帯保証人には及ばない(大判大8.6.24)。
設問3は正しい。委託を受けた保証人が弁済期前に弁済した場合、主たる債務者が弁済日以前に相殺の原因を有していたと主張するときは、保証人はその相殺で消滅するはずだった債務の履行を債権者に請求できる(民法459条の2第1項後段)。
設問4は正しい。委託を受けた保証人は、債権者から請求を受けた場合はもちろん、請求を受けずに自発的に弁済する場合であっても、あらかじめ主たる債務者に通知しなければ求償が制限されることがある(民法463条1項)。
わしはどうも「払ってやること」ばかり考えていたが、順番が違ったね。
まず棟上くん本人に会って、一声かける。
銀行との相談がどうなっているのか、相殺に使えるものがあるのか、そもそも肩代わりを望んでいるのか
──それを聞いてからだ。
事前通知は法律上の手続きやけど、画地さんの場合は、長い付き合いの友人への礼儀でもありますやろ。
焦って払うのは、誰のためにもならん。
年末の期限まではまだ時間がある。週末にでも棟上くんを訪ねてみるよ。
いやあ、来てよかった。
水ようかん、二人で食べておくれ。
画地さんは麦わら帽子をかぶり直すと、来たときよりずっと晴れやかな顔で事務所を後にした。
試験のひっかけメモ
- 「事前通知は債権者から請求を受けた場合だけ必要」→✕。委託を受けた保証人は、請求を受けずに自発的に弁済する場合でも事前通知が必要(民法463条1項)。設問4はここを正面から問うている。
- 「弁済期前に弁済すれば、直ちに求償権を行使できる」→✕。弁済期前に弁済しても、求償権の行使は主たる債務の弁済期以後(民法459条の2第3項)。
- 「弁済期前に弁済した保証人は、支出額の全額を求償できる」→✕。求償できるのは「主たる債務者がその当時利益を受けた限度」(民法459条の2第1項前段)。相殺の原因があればその分は求償できない。
- 「相殺の原因の分、保証人は泣き寝入り」→✕。保証人は債権者に対し、相殺によって消滅すべきだった債務の履行を請求できる(同1項後段)。設問3の結論。
- 「委託の有無にかかわらず求償の範囲は同じ」→✕。委託ありは支出額+法定利息等(459条)、委託なし(意思に反しない)は「その当時利益を受けた限度」、意思に反する保証は「現に利益を受けている限度」(462条)と、三段階で狭くなる。
- 改正民法の注意点:弁済期前弁済の求償ルール(459条の2)や通知義務の整理(463条)は、2020年4月施行の改正民法で明文化・再編された規定。古い過去問の解説を読むときは、現行の条文番号・内容で確認し直すこと。
締め:こむぎちゃんの1行まとめ
「友達の分を立て替えたら、法定利息と手数料をがっぽり上乗せして取り返せる」!つまり、私はあかねちゃんに立て替え手数料とライブまでの利息を請求できるってことですね!今からLINEしてきます!
ええか、求償できるのは払った分と法定利息・必要やった費用まで、勝手な手数料の上乗せは論外!
そもそもこむぎちゃんの立て替えは弁済期…
やのうて支払期限前の話やから、返してもらえるのはあかねさんが利益を受けた限度!ポイントで払うつもりやったなら、その分は求償でけへん!
ほんで何より、払う前の一声=事前通知を怠ったら求償が制限される、そこが今日いちばん大事なとこやろ!友達に請求書突きつける前にやることがあるやろ!
今回のまとめ
- 求償権=保証人が主たる債務者の代わりに弁済したとき、主たる債務者に「返して」と請求できる権利。
- 委託を受けた保証人が弁済期後に弁済した場合、支出した財産の額+弁済日以後の法定利息+避けられなかった費用等を求償できる(民法459条)。
- 弁済期前に弁済した場合は、求償は「主たる債務者がその当時利益を受けた限度」に縮む(民法459条の2第1項前段)。求償権の行使は弁済期以後(同3項)、法定利息も弁済期以後の分のみ(同2項)。
- 主たる債務者が相殺の原因を有していたと主張するときは、保証人はその分を債権者に履行請求できる(同1項後段)=設問3。
- 委託を受けた保証人は、請求の有無を問わず、弁済前に事前通知が必要。怠ると、主たる債務者は債権者に対抗できた事由をもって保証人に対抗でき、求償が制限される(民法463条1項)=設問4。
- 事後通知の懈怠には二重弁済の調整ルールがある(民法463条2項・3項)。「払う前に一声、払った後にも一声」。
求償権の範囲の比較
| 保証のタイプ | 求償の範囲 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 委託あり・弁済期後の弁済 | 支出した財産の額+弁済日以後の法定利息+費用等 | 459条 |
| 委託あり・弁済期前の弁済 | 主たる債務者がその当時利益を受けた限度(行使は弁済期以後) | 459条の2 |
| 委託なし(意思に反しない) | その当時利益を受けた限度 | 462条1項 |
| 委託なし(意思に反する) | 現に利益を受けている限度 | 462条2項 |
通知ルールの整理(委託を受けた保証人)
| 場面 | 怠るとどうなる? | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 保証人が払う前の通知(事前通知) | 主たる債務者は債権者に対抗できた事由(相殺等)で対抗でき、求償が制限される | 463条1項 |
| 主たる債務者が払った後の通知を怠り、保証人が善意で二重弁済 | 保証人は自己の弁済を有効とみなせる | 463条2項 |
| 保証人が払った後の通知を怠り、主たる債務者が善意で二重弁済 | 主たる債務者は自己の弁済を有効とみなせる | 463条3項 |
過去問(令和2年10月 問7)正誤表
| 設問 | 論点 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 1 | 保証債務の範囲(解除後の原状回復義務) | 正しい | 民法447条1項・最判昭40.6.30 |
| 2 | 主債務の加重/時効利益の放棄 | 誤り(正解) | 民法448条2項・大判大8.6.24 |
| 3 | 弁済期前弁済と相殺の原因 | 正しい | 民法459条の2第1項後段 |
| 4 | 事前通知と求償の制限 | 正しい | 民法463条1項 |