1. 持たない時代の“個人経済”が広がっている
いま、世界的に「持たない暮らし」「共有する社会」への移行が急速に進んでいます。
コロナ禍を経て、モノを所有するよりも“必要な時に、必要な分だけ使う”という考え方が一般化しつつあります。
生活スタイルはシンプルに、経済活動はミニマムに、それでも“稼げるチャンス”は広がっている──そんな時代の到来です。
その象徴ともいえるのが、P2P(Peer to Peer)レンタルビジネス。
これは、個人が持つ「使っていない空間」や「遊休資産」を他人に貸し出すことで、新たな収入源を生み出す仕組みです。
AirbnbやUberの成功を皮切りに、このモデルは家、車、機材、駐車場、さらにはプールにまで広がり、個人経済を支える新しいインフラになりつつあります。
このP2Pレンタルビジネスには、大きく分けて2つの稼ぎ方があります。
2. P2Pレンタルビジネスの2つの稼ぎ方
このP2Pレンタルビジネスには、大きく分けて2つの稼ぎ方があります。
一つは、自らプラットフォームを立ち上げて運営する“仕組みをつくる側”。
もう一つは、既存のサービスを活用して自分の持ち物や空きスペースを提供する“資産を活かす側”です。
どちらも魅力的な選択肢ですが、必要なリソースや得られるリターン、リスクの大きさが異なります。
この章では、それぞれのビジネスモデルの特徴を詳しく解説しながら、あなたのライフスタイルや性格に合った方法を見つけるためのヒントを紹介します。
【A】プラットフォームを作る側(=仕組みを運営する)
メリット:
- 手数料ビジネスで、仕組みが回れば不労所得に近い形で収益が得られる
- 利用者が増えるほどスケールする(リスクはあるが夢も大きい)
- ブランドとしての信用を積み上げやすい
デメリット:
- 初期の集客が大変(貸し手・借り手の両方を同時に集める必要あり)
- サイトやアプリなどシステム構築にコストと時間がかかる
- 法的整備やトラブル対応などの責任も伴う
向いている人:
- 中長期的に大きな仕組みを作りたい人
- 起業志向がある、もしくはスタートアップ的思考がある人
- チームや外注などでの協力体制を築ける人
【B】既存のプラットフォームを活用する側(=資産を貸し出す)
メリット:
- 初期費用がほぼゼロ。今持っているものをそのまま活かせる
- すでに利用者がいるため、集客不要。すぐに収益化可能
- 小さくテストできるため、副業との相性が抜群
デメリット:
- 手数料をプラットフォームに取られる
- 競合が多く、埋もれる可能性あり(人気エリア・人気アイテムに偏る)
- プラットフォームの規約変更に振り回される可能性も
向いている人:
- まずは副業レベルで小さく始めたい人
- 手間をかけず、今あるもので稼ぎたい人
- 自分の空き時間・空間を活かしたい人
3. なぜ日本ではP2Pレンタルが普及していないのか?その壁と可能性
P2Pビジネスが海外で急成長する一方、日本ではまだまだ一般的とは言えません。
その背景には、5つの「壁」があります。
① 信頼性への不安
- 日本: "知らない人と取引するのは怖い"という感覚が強い
- 海外: レビュー文化が浸透しており、初対面の取引にも抵抗が少ない
- 解決策: レビュー・本人確認・保険付きなど、信頼性を担保する仕組みを導入
② 法制度・グレーゾーン
- 日本: 許認可や商用利用の制限が多く、リスクを恐れて参入を避ける傾向
- 海外: 「まずやってみる」文化。後から制度が追いつく
- 解決策: 法的に問題ない枠組みでの小規模スタート。必要なら行政との相談も
③ 所有文化の強さ
- 日本: "モノは自分のもの"という価値観が根強い
- 海外: シェアは当たり前。“使わないなら貸す”が自然
- 解決策: 「収益になる」ことで考えが変わる。実績を見せると共感が得られる
④ 知名度と情報の少なさ
- 日本: サービス名すら知られていない
- 海外: 地域で当たり前のように使われている
- 解決策: ブログやSNSでの情報発信、地域コミュニティでの紹介など
⑤ 保険・保証の仕組みが不十分
- 日本: 万が一のときに責任を問われるのが怖い
- 海外: プラットフォームが包括保険などを整備している
- 解決策: 自前で保険に入る or 保険付きプラットフォームを使う
➡ このような「壁」をクリアできるプレイヤーにとって、P2P市場は高い参入障壁=チャンスの裏返し。
競合が少ないからこそ、今が入りどきです。
4. 海外のP2Pレンタル成功事例5選
P2Pレンタル市場の本質を理解するうえで、海外の成功事例は非常に参考になります。なぜ彼らは成功したのか?
どんな課題にどう向き合ったのか?そしてそれを日本でどう活かすことができるのか?
この章では、実際にユーザー数と収益を伸ばしている海外のP2Pレンタルサービスを5つ取り上げ、それぞれのビジネスモデルの特徴や成功要因をひも解いていきます。
国内での再現性や、日本ならではの展開のヒントにもつながる視点を交えながら解説していきましょう。
① Neighbor(空きスペースの貸し出し)
- 概要: 自宅の空きガレージ、地下室、倉庫などを、近所の人に貸し出すプラットフォーム。
- ポイント:
- トランクルームより安く、契約手続きがシンプル
- 近所の人とのやり取りなので安心感がある
- 都市部の収納不足という課題にフィット
- 日本での応用: Monooq(モノオク)など。
地方の物置や、空き部屋の一時貸しにも転用可。
② Fat Llama(高額機材の貸し出し)
- 概要: カメラ、ドローン、楽器など、高額な機材を個人間で短期レンタルするサービス。
- ポイント:
- 使わない機材を収益化できる
- 借り手は購入前に試すことができる
- 各種保険制度を整備して信頼性を確保
- 日本での応用: Alice.style、またはYouTuber向け機材の貸出モデルとして独自運用も可能。
③ Turo(個人間カーシェア)
- 概要: 自家用車を空き時間に貸し出せるP2Pカーシェア。
- ポイント:
- 特殊車両(キャンピングカー、スポーツカー)も人気
- 車を「使わない時間」でお金を生む
- 日本での応用: Anyca。特に地方の観光地での短期貸しが狙い目。
④ Spinlister(スポーツ用品のレンタル)
- 概要: サーフボード、スノーボード、ロードバイクなどのスポーツ用品を個人間で貸し出し。
- ポイント:
- 旅行者や初心者が「まず試す」ニーズに対応
- スポーツ用品は高価&保管スペースが必要なので、貸し出す側にもメリット
- 日本での応用: シェアカリ。
地域のレンタル拠点として事業展開も可能。
⑤ JustPark(駐車場の貸し出し)
- 概要: 空き駐車スペースを他人に貸し出せるサービス。
スマホで予約・決済も完結。 - ポイント:
- 都市部やイベント開催時の駐車場不足を解消
- 駐車場の稼働率を上げることで副収入を得られる
- 日本での応用: akippaなど。
自宅や施設の空きスペースをマネタイズ可能。
5. スモールスタートの提案例とステップバイステップのノウハウ
P2Pレンタルビジネスの良さは、少ないリスクで小さく始められることです。
以下に、スモールスタートを実現するためのステップを紹介します。
ステップ1:何を貸せるかを棚卸しする
- 自宅の空きスペース(ガレージ・納戸・物置)
- 使っていない家電・撮影機材・DIY道具
- 平日しか使わない車・バイク
- 季節用品(キャンプ道具、スノーボードなど)
ステップ2:試しに1品、既存プラットフォームに出品してみる
- Monooqで物置を貸し出してみる
- Anycaで自分の車を登録してみる
- Alice.styleで小型家電を出品してみる
ステップ3:反応を見る(需要の有無、価格帯、ユーザーの質問内容)
- 需要がある地域やカテゴリが見えてくる
- 問い合わせの傾向から、ユーザーの本当の悩みも見えてくる
ステップ4:ミニ・プラットフォームを作る(独自展開)
- Googleフォーム+Instagram+LINE公式で貸し出し受付
- NotionやCanvaで簡易カタログを作成し、友人・知人へ紹介
- 地域のFacebookグループや掲示板で「地元向けのP2Pサービス」として展開
ステップ5:繰り返し、レビュー・信頼を積み上げていく
- 利用者の声をSNSでシェア(口コミ効果)
- 初回割引や紹介キャンペーンで顧客を増やす
- 定期的な利用につなげるよう「サブスク型」も検討可能
➡ ここまで来れば、「趣味 × 副収入」が現実的な形になります。
(※中略:棚卸し → 出品 → 検証 → SNS活用 → 信頼蓄積)
6. 実例とソース紹介
P2Pレンタルは「実際に稼げるのか?」という疑問を持つ方も多いはず。
ここでは、信頼できる情報源を元に、実際に収益を上げている人たちの事例を紹介します。
◉ Fat Llamaの成功事例(出典:Medium: The Fat Llama Story)
ロンドン在住のチャズ・イングランダー氏は、DIYツールやパーティー用品をレンタルできるサービスがなく不便を感じたことをきっかけに、Fat Llamaを共同創業。
現在はニューヨークにも進出し、利用者の多くが副収入を得ています。
事例: Canonの一眼レフカメラを貸し出すユーザーが、月に200ドル(約3万円)を安定的に得ているという報告あり。
◉ Neighborの利用者(出典:Neighbor公式ブログ)
アメリカのユタ州在住の利用者が、空きガレージを近所の人に月150ドルで貸し出し。
ガレージの利用が週末のみであることを活かし、平日利用者を募集。
ポイント: 初期費用なし、設備変更なし。貸すだけで年間1800ドル(約27万円)の収入。
◉ Anycaの国内事例(出典:Anyca公式メディア)
都内で平日車を使わない会社員が、週末に愛車(スバルBRZ)を1日6000円で貸し出し
。月に4〜5回のレンタルで、毎月2〜3万円の副収入を得ている。
補足: メンテナンス代やガソリン代もカバーでき、車を「維持するコスト」が実質ゼロに。
◉ Alice.style(出典:PR TIMES記事)
ある主婦ユーザーは、美容機器や調理家電を出品し、試してみたい若年層から人気を集めている。
実績: 数アイテムの貸し出しで、月1万円ほどの副収入を実現。使用しない家電を「資産」に変えるという成功例。
これらの実例は、単なる理論ではなく「今この瞬間にも稼働しているビジネス」です。
そして何より注目すべきは、ほとんどが“遊休資産”の活用である点。つまり「新たに買わずに」「今あるもので始められる」ことが最大の魅力です。
Llama、Neighbor、Anyca、Alice.style など、実際に稼いでいる人たちの金額と出典)
7. ニッチな戦い方+新視点の提案
P2Pレンタルビジネスの魅力は、「スケール」ではなく「スキマ」にあります。
大手が手を出さない、けれど“確実にニーズがある”ニッチな領域で、静かに利益を積み上げている個人事業者が増えています。
◉ ニッチ市場例①:イベント時だけ出現する「臨時レンタル」
- 花火大会や音楽フェス、マラソン大会などの開催地近くで、
- 駐車場
- 仮設トイレ
- BBQセットやクーラーボックスなどを“1日だけ”貸し出す
✅ 例:JustPark+akippaのミックス型「臨時駐車場貸出マップ」を作成し、Googleマップで共有
◉ ニッチ市場例②:推し活・コスプレ需要をターゲットにする
- レイヤー向けの撮影用小道具、背景布、衣装を貸し出す
- 推しグッズのディスプレイスタンドやLED装飾など、“イベント用アイテム”に特化
✅ Instagram上のオタクコミュニティで告知することでターゲットに直撃可能
◉ ニッチ市場例③:高齢者向け「ちょっとだけ貸して」サービス
- 買い物カート、電動自転車、補助具などを1日単位で貸し出す
- デイサービスの送迎時間までの“30分間の足”に対応するなど、福祉に寄せた使い方
✅ 地域の民生委員やケアマネとの連携で紹介が広がる可能性あり
◉ ニッチ市場例④:「試したいけど買いたくない」需要を狙う
- ホームプロジェクターやスマートスピーカーなど、ガジェット系家電の“お試し利用”
- 試して納得してから買いたいユーザー層向けに、3日間レンタル+購入クーポン付きというハイブリッド型もあり
✅ レビュー付きの貸し出しページにすることで、より訴求力アップ
◉ 新視点:マイクロコミュニティ×P2Pモデル
- SNSのフォロワー100人でもビジネスが成立する時代。地域密着や属性特化の“超小型経済圏”を狙う。
- 例:沖縄限定のサーフボードレンタル
- 例:大学生限定のパーティー用品シェア
✅ "小さな信頼圏"の中で回る経済=トラブルも少なく、紹介が自然発生しやすい
P2Pレンタルは「ニッチであるほど、強い」。 まだ誰も注目していない“すき間”にこそ、次のヒットが隠れているかもしれません。
8. 小さな一歩で始める、新しい自分への挑戦
P2Pレンタルビジネスの魅力は、「大きな資本」や「特別なスキル」がなくても始められること。
必要なのは、ほんの少しの行動力と、“これ、貸せるかも”という視点だけです。
あなたの自宅の押し入れに眠っているキャンプ用品。
ガレージに置きっぱなしの自転車。週に1度しか使わないホームベーカリー。
それらが、誰かにとっては「今すぐ必要なもの」であり、あなたにとっては「毎月数千円の副収入」に変わるかもしれません。
今日からできる3つのアクション
- 家の中を“貸せるもの”目線で見てみる
- 自転車、DIY道具、空き部屋…使っていないものをチェックしてみましょう。
- MonooqやAlice.styleなどのプラットフォームに1つ出品してみる
- スマホで写真を撮って、紹介文を書いて、投稿するだけ。10分でできる第一歩です。
- 友達や家族に「貸してみたいモノある?」と聞いてみる
- 自分ひとりでは気づけない“資産”が、家族や知人の中に眠っているかもしれません。
P2Pレンタルは、「大きな起業」ではなく「身近な挑戦」。
- 副業をしてみたいけど、何をすればいいかわからない。
- まずは小さく、リスクなく始めたい。
- 自分にもできる成功体験が欲しい。
そんな人にとって、まさに最初の一歩として最適なフィールドです。
小さく始めた一歩が、やがて自分だけの仕組みを作る力になり、誰かの役に立ち、信頼と収入を積み上げる柱になります。
次回は、実際に「貸し出しページを作ってみる」までのステップを特集予定です。
まずは、今日、自分の部屋を見渡すところから。 あなたの中に眠る“ビジネスの種”が、きっと見つかるはずです。