プロローグ
昨日、冷蔵庫の中を「毎日」「週一」「いつか使う」の3段に分けたんですよ!
整理整頓は大事や。
半年前の柚子胡椒とか出てきました。
ガラッとドアが開き、南向壱星が少し気まずそうな顔で入ってきた。こむぎちゃんの表情がぱっと明るくなり、壱星もつられて口元が緩んだが、すぐに真剣な顔に戻った。
私の冷蔵庫と同じですね!
分類の軸を知らんと整理でけへん。
よし、今日は契約の分類の「軸」を整理しよか。
推理①:双務契約と片務契約 / 有償契約と無償契約
1つ目は「双務か片務か」、2つ目は「有償か無償か」。
この2つはセットで押さえるのがコツや。
外構さんが土地を買うなら、売主は引渡し義務、外構さんは代金支払い義務を負う。
お互いに義務があるから双務や。
贈与やったら、あげる側だけが渡す義務を負って、もらう側には義務がない。
有償契約は双方が経済的対価を出し合う契約、無償契約は対価関係にない契約。
売買は有償、贈与は無償やな。
双務契約は必ず有償になる。
お互いに義務を負うなら対価を出し合うことになるからな。
せやけど片務契約は有償も無償もある。
利息付きの消費貸借で、お金を渡した後は返す側だけが義務を負う片務やけど、利息がつく分は有償や。
ここはひっかかりそうですね。
該当する例: 売買契約は双務・有償。売主は引渡し、買主は代金支払いの義務を負い、対価関係にある。
該当しない例: 贈与契約は片務・無償。「双方が約束に関わっている=双務」ではなく、双方が債務を負うかどうかが基準。
推理②:諾成契約・要物契約・要式契約
民法の原則では、契約は当事者の合意だけで成立する。
書面もハンコも不要。
これを諾成契約という。売買も口頭の合意で成立する。
ほんで合意だけでは足りず、目的物の引渡しで初めて成立する契約が要物契約。
代表例は書面によらない消費貸借。
「貸して」「ええよ」だけでは成立せん。
実際にお金を渡して初めて成立する。
書面で合意すれば引渡し前でも成立する。
ここは改正の重要ポイントや。
一定の方式がないと成立しない契約で、代表例は保証契約。
書面でしなければ効力を生じない(民法446条2項)。
保証人に重い責任を負わせるから、慎重にさせる趣旨やな。
諾成が原則、要物と要式は例外。
この構造を押さえるのが大事やで。
該当する例: 売買契約は諾成契約。口頭の合意だけで成立し、書面は成立要件ではない。
該当しない例: 書面によらない消費貸借は要物契約。合意だけでは不足で引渡しが必要。ただし書面でする消費貸借は諾成契約になる。
事件の結論
3つの軸で整理すればいいんですね。
売買・贈与・賃貸借・使用貸借・消費貸借、それぞれの分類まで押さえて初めて使いこなせるようになる。
壱星が帰り際、こむぎちゃんに「冷蔵庫の整理うまくいくといいですね」と笑顔で声をかけた。
こむぎちゃんが「半年前の柚子胡椒だけは捨てられないんですよね〜」と屈託なく返すと、壱星は少し名残惜しそうに手を振って出ていった。
登記田は小さく苦笑した。
試験のひっかけメモ
- 「双務=有償」は正しいが「有償=双務」とは限らない。 片務でも有償の場合がある
- 契約は原則として合意のみで成立する(諾成契約)。 書面・押印は成立要件ではない
- 書面によらない消費貸借は要物、書面でする消費貸借は諾成。 一律「消費貸借=要物」は誤り
- 保証契約は要式契約(民法446条2項)。 口頭では効力を生じない
- 使用貸借は2020年改正で諾成契約に変更。 旧法の「要物」は現行法では誤り
締め:こむぎちゃんの1行まとめ
双務は必ず有償やけど片務は有償も無償もある、諾成が原則で要物と要式は例外、この関係をちゃんと押さえなあかんねん!
ちゃんとしなさい!
今回のまとめ
契約の分類は以下の3つの軸で整理する。
①双務契約と片務契約: 双務契約は双方が債務を負う。片務契約は一方のみ。双務契約は必ず有償だが、片務契約は有償も無償もある。
②有償契約と無償契約: 有償契約は双方が経済的対価を出し合う。無償契約は対価関係にない。
③諾成契約・要物契約・要式契約: 諾成契約は合意のみで成立(原則)。要物契約は引渡しも必要。要式契約は書面等の方式が必要。
| 分類軸 | 種類 | 判断基準 |
|---|---|---|
| 義務の方向 | 双務契約 | 双方が債務を負う |
| 片務契約 | 一方のみが債務を負う | |
| 対価の有無 | 有償契約 | 双方が経済的対価を出す |
| 無償契約 | 対価関係にない | |
| 成立要件 | 諾成契約 | 合意のみで成立(原則) |
| 要物契約 | 合意+目的物の引渡し | |
| 要式契約 | 合意+一定の方式(書面等) |
