「スペースを貸してお金を得る」という行為は、以前なら不動産オーナーや宿泊業者だけの特権でした。しかし今では、一般の人でも空いている部屋、庭、ガレージなどを誰かに貸し出して収入を得ることができる時代です。
その象徴的存在がAirbnb。けれど実は、空間レンタルの可能性は“宿泊”にとどまりません。
最近では「数時間だけ借りたい」「特定の用途で使いたい」という細かなニーズが増え、よりニッチな空間レンタルの市場が静かに広がりを見せています。
この新しい潮流に乗れば、あなたの生活空間が立派なビジネス資産になるかもしれません。
本記事では、Airbnbに続く新たな空間レンタルビジネスの世界を、事例・手順・注意点などを交えながら、わかりやすく紹介していきます。
Airbnbのその先へ。いま注目の「空間レンタル」市場とは?
「部屋を貸して収入を得る」といえば、真っ先に思い浮かぶのはAirbnb。
確かにAirbnbは“宿泊型空間シェア”の代表的サービスとして世界中に広まりましたが、近年ではさまざまな問題も浮き彫りになってきました。
地域住民とのトラブル(騒音・ゴミ・マナー違反)
法規制の強化や自治体ごとの制限
価格競争の激化と収益性の低下
清掃や鍵の受け渡しなど、手間の多さ
これらの要因により、「Airbnbだけではリスクが大きい」と感じるオーナーも増えています。
そこで注目されているのが、“宿泊”ではなく“体験や一時利用”に特化した、よりニッチな空間レンタル。
たとえばちょっとした会議、動画撮影、料理教室、ヨガ、ガーデンパーティー…。「数時間だけ空いている場所」を借りたい人は、想像以上に多いのです。
そしてそれはつまり、あなたの「使っていない部屋」「休日のガレージ」「誰も使っていない屋上」が、“副収入を生む資産”になるということ。
空間レンタルは、大掛かりな投資や特別なスキルがなくても、今あるもので始められるビジネスです。
最近では「空間を貸す」こと自体が特別な行為ではなくなり、個人が自由に空間をシェアし収益化することが“当たり前”になりつつあります。
この新しい副業の波に、あなたも乗ってみませんか?
2. 空間レンタルとは?|シンプルだけど奥深いビジネスモデル
空間レンタルとは、“空いているスペース”を“使いたい人”に貸し出すサービスです。
もともとは不動産業や宿泊施設の領域に限られていたレンタルビジネスですが、Airbnbの登場によって「個人が自宅を貸し出す」という新たなスタイルが確立されました。
その後、宿泊にとどまらず、「1時間だけ使いたい」「特定の用途(撮影・イベントなど)で使いたい」といったニーズが増加し、空間のレンタル方法も多様化。
スペースマーケットやインスタベースなど、短時間・ニッチな目的のためのレンタルプラットフォームが次々と登場しています。
この流れにより、空間レンタルは「時間×目的×場所」の掛け算で価値を生むビジネスモデルへと進化。
たとえ狭くても、古くても、ユニークな活用法があれば高い付加価値が生まれます。
つまり、空間レンタルとは単に“空いている場所を貸す”のではなく、“どんな目的で、誰に、どのように提供するか”という企画力や編集力が問われる、非常に奥深いビジネスでもあるのです。
▷ 貸せる空間の一例(事例解説付き)
自宅の一室(撮影、ワークスペース)
映える壁紙や自然光の入る部屋を、SNS撮影やZoom会議用に貸し出すアイデアが人気に。
Airbnbの「宿泊向け」から派生し、“短時間でも価値がある空間”という概念が広まった背景がある。
ガレージ(DIY、車整備)
アメリカでは「DIYできる空間がない」という悩みを抱えた層が、GarageTimeのようなガレージレンタルで解決。
自動車整備、木工、バイクチューニングなどの用途で「作業場」としての価値に注目が集まる。
庭(バーベキュー、イベント)
自宅の庭にテーブルやイルミネーションを設置し、パーティー会場や撮影ロケ地として時間貸し。
「庭=プライベート空間」という固定観念を逆手に取り、“シェアできる自然”として再定義された。
屋上やベランダ(ヨガ、星空観賞)
都市の喧騒を避ける“ちょっとした開放感”を求める人に人気。
非日常を味わえる“都市のオアシス”として、静かなブームを生んでいる。
キッチン付きのLDK(料理教室)
家庭用ではなく「おしゃれで機能的なキッチン」を使いたいというニーズに応えた事例。
料理系インフルエンサーが撮影場所として利用したのをきっかけに広がった。
和室や古民家(着物撮影、お茶会)
伝統的な空間が“体験”として再評価されており、着物レンタルや茶道ワークショップと組み合わせて展開。
「古さ」自体が価値になるという逆転の発想が、訪日外国人にも好評。
“使わない”ことがもったいない──そんな空間こそ、価値に変えるチャンスがあります。
3. ニッチだけど稼げる!空間レンタル5選
① 撮影スタジオ型:映える一室を時間貸し
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カラフルな壁紙や家具を配置した“映える空間”は、SNS投稿やポートレート撮影に人気。特にInstagramやTikTokのクリエイターが撮影場所を探すニーズに応えています。
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価格例: スペースマーケットでは都内1Kマンションの一室が1時間1,500円〜2,500円程度で掲載。
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成功事例:「撮影会専用ルーム」として、週末だけで月10万円以上を売り上げる個人オーナーも(スペースマーケット公式ブログより)。
② ガレージ活用型:DIYスペースとして貸す
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アメリカ発のGarageTimeでは「自分の工具を持っていても使える場所がない」というDIY層に向け、作業場所を時間貸し。
日本でもDIY・木工・自動車整備用に貸し出すケースが増えています。 -
価格例: 都内で工具付きガレージを1時間1,800円〜3,000円で提供。
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利用ニーズ: バイク整備や木工のワークショップスペースとして活用。
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出典: GarageTime公式FAQおよび一部国内SNSの口コミ(@DIYgarageJapan など)
③ ガーデン貸し:屋外パーティーや撮影に
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ちょっと手入れした庭が、撮影や小規模イベントのロケーションとして人気。
特にウェディング前撮りや家族写真の需要が安定しています。 -
価格例: テーブル・照明付きの庭で1時間3,000円〜5,000円程度。
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成功ポイント: 簡単な装飾と照明で「非日常」を演出できるかどうか。
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活用例: 小規模グランピング、マルシェ風イベント、音楽ライブなども可。
④ 料理体験スペース:キッチンをイベント用に
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アイランドキッチンや大きな作業スペースのあるLDKは、料理教室やYouTube配信、試食会などに活用されることが多く、機材と食器が揃っていれば高単価設定も可能です。
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価格例: 1時間3,000円〜6,000円。食材込みでイベント開催の場合は10,000円超もあり。
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事例:「一人で貸せる料理教室」として、主婦が平日午後に週2開催 → 月5万円以上の副収入に(インスタベース事例集より)
⑤ 屋上・ベランダ:夜のヨガや星空観賞イベントに
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屋上や広めのベランダは、都市部では貴重な“開放空間”。夜のヨガクラス、ミニコンサート、星空観賞会などの“非日常体験”が人気です。
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価格例: 都心部の屋上スペースで1時間2,000〜4,000円前後。
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利用例: 星を眺める会、ベランダサウナ体験、キャンドルディナーイベントなど。
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発想の転換: "狭いから貸せない"のではなく"眺めが良いから価値がある"へ。
4. 空間レンタルで稼ぐには?スモールスタートの手順
空間レンタルは、最初から大きく始める必要はありません。
むしろ「使える空間を探す」「誰かのニーズに気づく」ことから始めて、少しずつ収益を生む形に育てていくことが重要です。
ここでは、未経験者でもすぐに始められるように、5つのステップをさらに細分化して具体的に解説します。
ステップ1:貸せる空間を探す
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自宅の中(客間、使っていない部屋、廊下の一角)
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敷地内(庭、ガレージ、ベランダ、屋上)
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時間限定でもOK(平日夜や休日だけなど)
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「普段は自分も使っていない時間」に注目する
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Googleカレンダーで空間の“使用頻度”を可視化してみるのも◎
ステップ2:用途をイメージする
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「自分にとって当たり前の空間」は、他の人にとっては新鮮な“体験”になる可能性があります。
用途をイメージするためのヒント:
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【視点①:目的】仕事?趣味?交流?リフレッシュ?
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【視点②:属性】誰が使う?主婦?学生?外国人?高齢者?
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【視点③:シーン】晴れの日限定?夜だけ?季節イベント?
📌 プロセスのコツ:
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友人や家族に「この部屋、どう使えると思う?」と聞いてみる
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SNSやスペースレンタルサイトを見て「他の人がどう活用しているか」を観察
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PinterestやInstagramで「#レンタルスペース」で検索し発想を広げる
📌 普段からの心がけ:
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「自分の空間を“他人の目”で見る」習慣をつける
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空間に“コンセプト”を持たせる(例:都会の隠れ家、昭和レトロ、癒しの緑など)
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小さな工夫(照明、観葉植物、布など)で世界観を演出できる
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ステップ3:既存サービスに登録する
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スペースマーケット、インスタベース、軒先ビジネスなどに登録
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写真は昼間に自然光で撮影、照明や小道具も工夫する
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タイトルには「用途」と「魅力」を明記(例:『料理動画に最適!アイランドキッチン付きLDK』)
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禁止事項やマナーを明記し、トラブル防止に備える
ステップ4:最初はお試し価格でテスト
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相場よりやや安く設定して、まずは“体験してもらう”ことを優先
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利用者からのフィードバック(良かった点/改善点)を丁寧に収集
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実際の使われ方から新しい用途に気づくことも(例:「ヨガよりリモート会議向き」など)
ステップ5:利用者の声を紹介・口コミ拡大
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利用者のレビューや写真をSNS・出品ページで紹介
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リピーターには割引特典や事前予約枠など“常連化”の仕掛けを
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「体験レポート」をブログやnoteで書いてもらうのも効果的
このように、空間レンタルは「見つける→磨く→試す→伝える」を繰り返して育てていく副業です。
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5. リスクと注意点|トラブルを避ける工夫
新しいビジネスには、必ず「トラブル」や「想定外のこと」がつきものです。
空間レンタルも例外ではなく、事前の準備・心構え・ルール設定がとても重要です。
ここでは、よくあるリスクとその回避方法を、実際の事例も交えてご紹介します。
✅ ① 近隣トラブル(騒音・出入り・駐車場問題など)
【事例】
東京都内で開催された小規模誕生日パーティーが、近隣住民の通報で営業停止に。
「スペースは静かに使用」と案内していたが、深夜の騒音と大量の出入りで問題化。
(出典:スペースマーケット・管理者ブログ)
【対策】
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利用者には「住宅街であること」「音量・マナー制限があること」を明示
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利用可能時間を「10:00〜20:00」などに限定
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駐車スペースや搬入路がない物件は「公共交通機関での来訪推奨」と記載
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苦情が入ったときの緊急連絡先を自ら管理・掲示する
✅ ② ルール不明瞭によるトラブル(使い方の誤解)
【事例】
家具や小道具が破損したのに「どこまで使ってよいか書かれていなかった」と主張され、全額自己負担となった例も。
【対策】
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書面またはアプリ上で「使用OKな設備」「NGな行為」を明文化(例:飲食OK/火気NG)
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口頭説明ではなく「同意書」や「チェックリスト」で残す
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よくあるトラブルのQ&Aを事前に共有する(例:「壁にテープ貼っていいですか?」→NG)
✅ ③ 清掃・ごみ放置・鍵の受け渡し問題
【事例】
清掃代を含まない貸し出しで、ごみや床の汚れが残されたまま→次の予約とバッティングし苦情発生
(出典:インスタベースカスタマーサポート事例)
【対策】
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清掃代込みで価格設計をする(例:2時間レンタル+1,000円清掃代)
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スマートロックや暗証番号式キーボックスで「無人受け渡し」対応
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掃除用具を現地に常備し、簡単なセルフクリーニングをお願いすることも可能
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写真での利用後チェック(ビフォーアフター)を求める運営者も増加中
✅ ④ 保険・補償がないことによる金銭リスク
【例】
高額な撮影機材が破損し、借主も貸主も補償対象でなかったケースでは、損害金約10万円をめぐって長期のトラブルに。
【対策】
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「スペース保険(例:あいおいニッセイ同和)」に個別加入する
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スペースマーケット・インスタベースなどのプラットフォームには「利用者損害補償制度」がある
→たとえばスペースマーケットでは最大1,000万円までの損害補償(物損・人的事故)が適用 -
利用時には「身分証明」「用途確認」を徹底(法人か個人かも要確認)
✅ ⑤ レビュー・評価による“風評リスク”
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1件の悪質レビューで予約が激減することも(特に新規出店者は致命的)
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「清潔感がなかった」「説明と違った」など、主観的評価も影響する
【対策】
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事前の写真と説明文は正確に!誇張しない!
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利用後は自らレビューを促す(例:「お気づきの点があればぜひ教えてください」)
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初期は「知人によるモニター利用」でポジティブなレビューを蓄積
🔒 トラブルは防げる、リスクは軽減できる
空間レンタルは低リスク・低資本で始められるビジネスですが、トラブルを甘く見ると、信頼も収益も失います。
だからこそ、「相手の立場になって考える視点」と「少し先のトラブルを想像する力」が、長く続くビジネスのカギになります。
6. 空間レンタルは“資産”より“視点”で稼ぐ時代へ
空間レンタルで成功する人たちは、特別な物件を持っているわけではありません。
むしろ、「何もないけど、誰かにとっては価値があるかも」と気づけた人が勝ち始めています。
◆ 大切なのは「どんな空間か?」ではなく、「どう使ってもらうか?」
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【昭和レトロな和室】→ 着物撮影、茶道体験、訪日外国人向けコンテンツに
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【昼はカフェ、夜はバル風キッチン】→ 料理教室、フード系YouTuberの収録場所
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【ベランダや裏庭】→ 星空観賞会、ミニコンサート、ママ友の集まり場
「自分にとっては当たり前の空間」が、誰かにとっての“非日常体験”になるのです。
◆ どうすれば、そんな“視点”が身につくのか?
✅ ステップ1:既成概念を捨てる
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「普通じゃ貸せない」→ ❌
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「この空間、使ってもらうならどんな体験に?」→ ✅
→発想の出発点は「所有」ではなく「活用」です。
✅ ステップ2:ユーザーになってみる
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自分でもスペースを“借りてみる”ことで、利用者の目線が理解できる
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特に人気の使い方(撮影・会議・試食会など)は一度体験しておくと、運営にも役立ちます
✅ ステップ3:価値を“モノ”ではなく“物語”で伝える
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「ただの和室」ではなく「祖母が遺してくれた、落ち着ける空間」など背景を加える
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ユーザーは“コンセプト”や“体験の物語”にお金を払います
◆ 小さな成功事例から学ぶ
① 和歌山の古民家が「ゲーム実況スタジオ」に
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築70年の古民家にWi-Fiと防音布を設置。大学生の実況者が「落ち着いて撮影できる」と話題に
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利用料:1時間1,200円、月5万円以上の副収入に
② 都内のベランダが「読書サロン」に
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4畳半ほどのベランダに、ウッドパネルと植物を設置。「読書とハーブティーの2時間パック」が好評
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スペースマーケットでのレビュー評価 ★4.9(全10件)
③ 洗練された物件が勝つとは限らない
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SNSでバズったのは「昭和の床の間が残る実家リビング」→フィルム撮影向けで予約殺到
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撮影系ニーズは“昭和感”や“生活感”に価値があるという好例
◆ リスクを恐れない考え方を身につけるには?
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「失敗したらどうしよう」ではなく、「1件でも使ってもらえたら成功」と捉える
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空間レンタルは初期投資がほぼゼロで始められるので、小さく始めて大きく学ぶことができます
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重要なのは、“100人にウケる空間”より“3人が大喜びする空間”を作ること
💡 発想の転換メソッド:『空間のラベルを外してみる』
今までの見方 | 新しい見方(レンタル視点) |
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ただの押し入れ | 写真映えする撮影ブース |
何もない和室 | 着物体験ワークショップ |
小さな玄関スペース | 雨の日のポートレート撮影背景 |
木陰の庭 | 外ヨガ or 読書イベントスペース |
🔑 :あなたの空間に、まだ「ラベル付けされていない価値」が眠っている
「自分の空間=他人の体験資源」として見る。
これだけで、あなたの“見慣れた場所”がビジネスに変わります。
あとは、小さな一歩を踏み出すだけ。
必要なのは、大きな投資ではなく、少しの工夫と少しの勇気です。
7. まとめ|あなたの空間に、まだ誰も知らない価値が眠っている
空間レンタルは、特別な場所や大きな資本が必要なビジネスではありません。
それは、ふつうの家、ふつうの部屋、ふつうの庭──
そんな「何気ない場所」が、誰かにとっての“特別な体験の舞台”になる可能性を秘めています。
たとえば、
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使っていない和室が、着物撮影やお茶会の会場に
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小さなベランダが、星空を眺める癒しの空間に
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ガレージの一角が、DIY好きにとっての宝物の場所に
それはもう、「資産を持つ人だけのビジネス」ではなく、
“視点”を持つ人のチャンスへと変わってきているのです。
まずは、自分の空間をひとつ、別の目で見直してみてください。
「この空間、もし誰かに使ってもらうとしたら、どんな時間を届けられるだろう?」と。
そう問いかけたその瞬間から、あなたの空間は「可能性のある場所」になります。
最初の一歩は、小さくてかまいません。
お試しで貸してみる、写真を撮って出品してみる、SNSで聞いてみる——
そこから、あなたのストーリーが静かに動き出します。
この世界に、あなただけの空間ビジネスを始めてみませんか?